2021.1.11：投稿

具体的なポイント名は忘れたがシパダンツアーでの海。そこはサンゴ礁域のドロップオフだった。

自分がいた水深よりもっと深いところに、体色より青白い四角い模様が体側にある魚を上から目撃した。

ランチタイムの時「こんな魚を見たけど何ですか？」と聞いてみた。

すると、すかさずマイさんが「サロンパスじゃな〜い」と。

「えっ？サロンパス？」捻挫とか肩こりの時とかに貼る久光製薬のサロンパス？

これが初めて「スミレナガハナダイ」という魚を私が知ったいきさつ。それは2011年のこと。

翌2012年、石垣島で初めて写真を撮った。ライトが当たると体はこんなに綺麗な赤い色をしているのか。なんと美しい魚なのだと感動した。
写真の個体は雄。若干婚姻色が現れ始めているようにも思う。

参考写真：このスミレナガハナダイ、疲れてサロンパスを貼って寝込んでいるのではない。岩陰に避難しているところ（誰かの殺気から）大変申し訳ない。

「サロンパス」のようにニックネームを持つ生き物のシリーズを始めようと思う。題して「ニックネーム・シリーズ」企画・発案はまきさん。

Part１

＃１サロンパス＝スミレナガハナダイ

＃２ピカチュウ＝ウデフリツノザヤウミウシ

＃３ウルトラマンホヤ＝和名無し

＃４パンダホヤ＝和名無し

＃５ロボコン＝アナモリチュウコシオリエビ

＃６ハンマー＝アカシュモクザメアカシュモクザメ

＃７ドリー＝ナンヨウハギ

＃８ジャパピグ＝ハチジョウタツ

Part２（#9〜13)はこちら

生息域は潮通しの良いサンゴ礁外縁のドロップオフ。水深20〜70m、特に30m付近に多く生息する。
日本での分布域は、伊豆諸島、小笠原諸島、屋久島、琉球列島、駿河湾以南の太平洋側。
名前の”スミレ”はサロンパスに見える四角い斑紋がスミレ色だからだそうだ。

海の中、肉眼で認識するのは難しいが、この細部に至るまでの色使いは一体誰のデザインなのだろう。

参考写真：婚姻色のスミレナガハナダイ。雌にアピールしている状態が婚姻色。通常より特に頭部の色のコントラストがはっきりしている。婚姻色の別の個体は腹鰭も赤色に染まっていたりする。

スミレナガハナダイの幼魚。キンギョハナダイに混じって泳いでいたが、腹鰭が白く輝いているので識別できる。

長い間、幼魚と雌の違いが今ひとつ分からなかった。
「ハナダイはみんな最初は雌で生まれてきて性転換して雄になるのだから、基本幼魚は雌です」との助言を貰った。なるほどと思った。

「雌先成熟」の言葉は知っていたつもりだが、同じ雌先成熟のベラ科の魚たちは幼魚と雌は似ていてもかなり違う。そのイメージに引っ張られ、違いを求めていたのかも知れない。

雌は体がオレンジ色で、眼の下のラインが尾鰭まで伸びている。このラインは薄っすらしているので分かり難いが写真を見ると確かに尾鰭まで届いている。 幼魚は雌に比べて、体長に対しての尾鰭の長さの比率が大きいようにも思うが、それで判断するのも難しい。あとは大きさだろうか、、、。

図鑑に「通常、群れてもキンギョハナダイのようにあまり密にはならず、まばらに浮かんでいる」と記されている。 「密にならず」この１年TVでよく耳にするフレーズ。

参考写真：北川・カジカキで撮影。こちらも幼魚と思われる。伊豆では死滅回遊魚であっても１〜２年生き延びることもあるそうなので伊豆に居たから幼魚とも判断しかねる。

アップ後追加の１枚。幼魚ではなく大人の雌だと思いたい。笑
尾鰭や背鰭もオシャレに縁取られている。

柏島の深場でクジャクベラと同じ場所にいた。