ベニツケタテガミカエルウオ

スズキ目イソギンポ科

2021.5.25:投稿



『押さえつけられ3部作ーその③』

3部作・最終章、舞台は小笠原。

ベニツケタテガミカエルウオの図鑑に書かれた「分布域」は小笠原のみ。(図鑑によっては南鳥島も)
「小笠原の地域限定種だ」と記載されている。こうした”限定された海”でしか見れない生物は、事前に調らべてリクエストする。現地ガイドの方達は可能な限り、しっかりこうしたリクエストに応えて見せてくれる。有難いことだ。


ポイントは小笠原諸島・弟島の「鹿浜」。シロワニ(サメ科)が見られるところ。
首尾よく迫力のシロワニを見て、終盤浅場へ戻った。

現地ガイドの鉄也さんがベニツケタテガミカエルウオの場所を教えてくれた。
浅場の小さな根?(岩?)の頂上付近に小さな穴があり、その奥にベニツケタテガミカエルウオは潜んでいた。
かなりのビビリのようだ。体が黒褐色で穴の暗闇に溶け込んで非常に見難い。確認しようと顔を穴に近づけると益々奥へと入っていく。

浅場お決まりの荒い波。自分の体を固定するのも一苦労。
今回、私を押さえつけてくれたのはマサさん。3部作の中でも撮影の難易度は一番高かった。

結果、まともな写真は撮れなかった。全く納得していない!
マサさんがどんな形で私を押さえつけてくれていたのか、それさえ分からない。羽交締めにしていたのか、軽く手で押さえていたのか、それを察する余裕すらなかった。


良い写真をモノにして彼らの”協力”に報いたい。しかし、そんなに上手くことは運ばない。

これは長い”ストーリー”の出発地点。
いつか、きっと。いつかきっと、マサさんにベニツケタテガミカエルウオをちゃんと撮った写真を見せたいと思う。
それが出来た時『押さえつけられ3部作』に初めてピリオッドが打てる。
マサさん!その日が来たら「麦汁」(焼酎)で祝杯をあげよう!



【分布域】小笠原諸島、南鳥島。日本では小笠原諸島でしか見られない地域限定の種。
*ネットで調べると慶良間諸島や琉球列島からの撮影報告がある。(海の中も温暖化が進み、分布域が変化するのは当然かもしれない)
【生息域】水深3〜5mの波の荒い岩礁に生息。
【特徴】体は黒褐色で模様は無い。頭部に赤色の線や斑点が散在。




『押さえつけられ3部作ーその①』イソマグロ
『押さえつけられ3部作ーその②』ヨコシマエビ

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2019.05.04 #794

撮影ポイント

小笠原 弟島 鹿浜

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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