ウサギトラギス

スズキ目ホカケトラギス科

2023.5.22:投稿



【分布域】静岡県大瀬崎などの一部地域。
【生息域】通常は水深40~200mの深海に生息し、産卵期の春から初夏にかけて浅場へ上がってくる。
【特徴】透明な体の体側には黄色と白色の斑がある。眼の下後方にも黄色や白色のラインがある。雄の求愛行動の時に開く背鰭は黒色で非常に大きく立派。体色も青味が増すことが多い。





「マニアック&レア ウサギトラギス」

2023年5月のある木曜日の夜。
インストラクターのミカちゃんから、すこぶる魅力的な情報がもたらされた。
それは「最近大瀬に”ウサギトラギス”という子がいます」という内容。



その3日後(日曜日)、私は大瀬崎の海の中にいた。笑
情報は鮮度が命である!



初めて耳にする「ウサギトラギス」という名前。
私が所有する数冊のどの「図鑑」にも本種ウサギトラギスの名前はない!

何とかネット上で本種に関する情報を収集した。
すると、本種はトラギス科ではなく、別科「ホカケトラギス科」の魚であることが判明した。
本種はトラギスコウライトラギスオグロトラギスなどが属する「トラギス科」の魚ではない。


ハンディ版ではない分厚い方の『日本の海水魚』(山渓)でも「ホカケトラギス科」についての記載が多少あるのみ。



名前の由来:雄が求愛行動の時に立てる背鰭が、まるでウサギの耳の様に見えるところから。

求愛行動の時の、体に対して非常に大きく黒いまるで”帆”のような背鰭は動きも特徴的。黒色の背鰭には縦に1本の白っぽい線がある。
雄の平常時や雌は基本背鰭を閉じている。


参考写真:同じ時の同じ個体。
恐らく、この個体はウサギトラギスの雌?
黒丸で囲んだのが倒された(閉じた)背鰭。
冒頭の写真と参考写真は砂の中から”ウサギ”の名に恥じない跳躍力で、大きく移動して全身を現したところ。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2023.05.14 #1277

撮影ポイント

大瀬崎 湾内

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

「さすが!!」

 

この時、大瀬崎へは日帰りで行った。
1本目はウサギトラギスがいるはずのエリアへ行ったがいなかった。
本種は基本、頭だけを出して砂底に埋もれていて探し出すのは難易度が高めだと思われる。

 

このところの大瀬崎はヒレボシミノカサゴygを筆頭にマクロネタが充実していて大忙し。
「仮にウサギトラギスに会えなくても充分楽しい海」などと、ホクホク顔で泳いでいたら。。。

 

2本目の後半、頭頂部だけを砂底からチョコンと出した本種をミカちゃんが見付けた!!!
おおよそのエリアを特定していたにしても、良くぞ広い大瀬崎の砂地で本種を見つけ出したと驚嘆した。
最早”さすが!!”としか言いようがない。

 

ウサギトラギス、もちろんmy新種!
ありがとう!!!ミカちゃん。
my新種はこうして皆の協力で今も増え続けている。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2023.05.14 #1277

撮影ポイント

大瀬崎 湾内

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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