ホカケハナダイ

スズキ目ハタ科ハナダイ亜科

2021.11.27:投稿



【分布域】相模湾、駿河湾、高知県柏島。
【生息域】潮通しの良いサンゴ礁外縁斜面に生息。数十匹の群れで見られる場合もある。
【特徴】雌雄共に体色は淡いピンクがかったオレンジ色。背鰭が帆を張っているかのように大きい。体高は高くない。雄の腹鰭は黒色。背鰭や臀鰭の縁がブルーに縁取られることもある。雄は婚姻色になると体色が白っぽくなり、体側に赤色の横縞が現れる。腹鰭以外の各鰭はブルーになる。幼魚の体色は成魚より濃い色をしている。体高が低く背鰭が大きい特徴はほぼ成魚と同じ。
 



「帆」

15世紀半ばから17世紀の半ば頃。主にポルトガルやスペインによってアメリカ大陸やアフリカ大陸そしてアジアへと大規模な航海が行われた”大航海時代”。何枚もの大きな帆に一杯の風を受けて大海原を船が疾走する。その先には未知の大地や異なる言語や文化を持つ人々が待ち受けていた。

江戸時代の日本。幕末から明治へと世の中が動いていく一つの大きな役割を担った咸臨丸。この船も3本マストの木造帆船だった。咸臨丸の帆が受けていたのは風だけではなく、新しい世界へと日本を走らせる為の夢や希望だったかもしれない。



「ホカケハナダイ」

まるで「帆」のような背鰭を持つハナダイ。
細身の体が、大きく幅の広い背鰭を一層際立たせる。
稀種である。


写真はホカケハナダイの雌。
大瀬崎・外海先端の水深26m辺りでキンギョハナダイと混泳していた。

この時のことは今も鮮明に覚えている。
前日の伊豆は珍しく大雪に見舞われた(雪の日 器材 井田
大雪の翌日はキリキリと冷え込む寒い朝だったが、一転して雲一つないきれいな青空が広がった。
すんでのところで宿から大瀬崎への道で、凍結の為の通行止めにあうところだったが、何とか?運良く?それを回避して辿り着いた大瀬の海。

ハナダイ好きのインストラクター・龍くんに見せて貰ったホカケハナダイ。
自分の撮影技術の拙さと愛機がデジカメだったことなどから満足な写真は撮れなかった。
しかし、今もありありと撮影シーンが瞼に浮かぶ「記憶に残る一枚」である。




参考写真:同じ時の同じ個体。
同じような体色同じような大きさのキンギョハナダイ、そしてこちらも同じようなイトヒキベラの雌相も写り込んでいる。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2014.02.09 #392

撮影ポイント

大瀬崎 外海 先端

使用機材

Olympus XZ-1

ホカケハナダイ 幼魚

 

2021年11月中旬。何年振りかに「ホカケハナダイ」の名前を耳にした。しかも今度は”幼魚”らしい。

 

「田子・沖の浮島根」にホカケハナダイがいるとの生物情報。
数週間前はアカボシハナゴイに会いに行ったばかり。
田子の海へ向かう車中では「アカボシ狙い」「シロボシスズメダイ狙い」、そして私は「ホカケ狙い」とそれぞれが自分のターゲットを口にした。
なんと贅沢な海なのだろう。田子・沖の浮島根!

 

大瀬崎でホカケハナダイの雌を撮って7年半。あの日のホカケハナダイはスレンダーで淡い体色をしていた。
しかしこの日、インストラクター・ミカちゃんが照らすライトに浮かぶのは、ややオレンジがかった深紅の体色をしていた。
幼魚の動きは早く撮影は当然のように難航した。海に入る前のミカちゃんからのアドバイス「数を打つことです」を頭の中で繰り返し、じれずにシャッターを切り続けた。

 

参考写真:同じ時の写真。ホカケハナダイは何個体かいたので、同じ個体かどうかは分からない。
縦に並んだハナダイ3種。上からキンギョハナダイ、ホカケハナダイ、カシワハナダイ(尾鰭だけ)。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2021.11.19 #1066

撮影ポイント

田子 沖の浮島根

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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