トウアカクマノミ
スズキ目スズメダイ科クマノミ属
2022.7.28:投稿
【分布域】沖縄諸島。
【生息域】生息水深は30m以浅。熱帯や亜熱帯の内湾に生息するイボハタゴイソギンチャクと共生する。
【特徴】成魚の体色は黒色で眼の直ぐ後方に白色の1横帯と、体後方背側に同じく白色の鞍状の1帯がある。こちらは背鰭の1部に繋がる。口先(頭)はオレンジ色。尾鰭にはハの字の白色のラインが入る。
幼魚の体色はオレンジ色で眼直後の白色の1横帯と、背鰭後方から鞍状に1白色斑がある。尾鰭にハの字のラインが入るのは成魚と同じ。
「初めて見たトウアカクマノミ」
2010年10月、沖縄本島・恩納村・山田で本種トウアカクマノミを初めて見せてもらった。
ポイントへ向かう船の上で、この時のガイド・汐崎進吾さん(Ocean社長)にクイズを出された。
「日本で見ることが出来るクマノミ6種類を言えますか?
その6種類全てがこれから行くポイント・山田にはいるんですよ」
たしかその時、6種類全てを答えることは出来なかった。
写真は、山田の砂地で卵を世話するトウアカクマノミの夫婦。
共生する緑色のイボハタゴイソギンチャクには、トウアカクマノミの夫婦以外にも小さな個体も棲んでいた。
イボハタゴイソギンチャクからやや離れた場所に雄が産卵床を作り、雌が産卵した卵を夫婦で守り育てる。
クマノミ属の魚達は、イソギンチャクの毒を防ぐ粘液を体表から分泌しているが、卵はそうした防御力がない為、イソギンチャクの触手が届かない場所に産卵床を作る。
因みに、日本で見られるクマノミ属(クイズの答え)は以下の6種。
・クマノミ
・カクレクマノミ
・ハナビラクマノミ
・セジロクマノミ
・トウアカクマノミ(本種)
・ハマクマノミ
参考写真:同じ時の同じ個体達。
背鰭の1部に繋がる横帯は、上から見るとハート型に見える。
データ詳細
撮影日
2010.10.09 #147
撮影ポイント
沖縄本島 恩納村 山田
使用機材
SONY Cyber-shot (DSC-WX1)
こちらの写真はつい最近(2022年7月)撮ったトウアカクマノミ。
冒頭の写真は2010年撮影。
2010年から2022年の間にもトウアカクマノミの写真を撮らなかった訳ではない。
しかしほぼ全ての写真を没にして来た。
その理由は明白。
本種は砂地に生息するイボハタゴイソギンチャクと共生している。
その為、数人で近寄ると多くの場合、砂煙が舞う。依って、トウアカクマノミの写真は透明度の悪い、霞んだような映像になってしまう。
(2010年の時は自分を含めてゲストが2人で余り砂煙は上がらなかった)
今回はその轍を踏まないように策を講じた。
トウアカクマノミの場所から皆が離れて別の生き物(モウミウシ類)を撮っている間に、1人でトウアカクマノミの場所へ舞い戻った。
そ~と砂を巻き上げないように近寄ってシャッターを切った。作戦は大成功だった(かな?)!笑
もっとも、次に行った生物の場所が、元の場所へ舞い戻れるような近い距離だったのが幸運ではあった。
ここのイボハタゴイソギンチャクにはミツボシクロスズメダイも一緒に棲んでいた。
トウアカクマノミとシェアハウス?
データ詳細
撮影日
2022.07.16 #1154
撮影ポイント
西表島 ㇶナイビーチ
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)