トカラベラ

スズキ目ベラ科ホンベラ属

2021.1.8:投稿


トカラベラは岩礁域やサンゴ礁域の浅場の砂底やガレ場に生息。

分布域は伊豆諸島、小笠原諸島、和歌山県串本、高知県柏島、屋久島、琉球列島など広範囲に及ぶ。

成魚の特徴は背部に黄色斑が通常3個ある。ただし数は個体差があり2個や1個の場合もある。体は青白色の地に青黒色の網目のような模様がある。頭部には眼の周囲にピンク色或いは橙色の縦線がある。

トカラベラの雄相と雌相は大変よく似ている。あえて違いを言えば、雌相の尾鰭は濃い黄色一色で斑点が無いのに比べ、雄相は赤褐色に斑点が散らばる。雌相は背鰭先端の黄色斑の後ろに黒色の域がある。

上記理由により、写真の個体は雌相と思われる。

追記:ベラやブダイの雄相と雌相について

普通の魚は”雄”とか”雌”と呼ばれるが、ベラ科やブダイ科の魚は”雄相”や”雌相”と呼ばれる。何故だろう?

多くの魚達は雄と雌の両方の機能を持って生まれてくる。成長の最初の段階では雌の機能が発達し、幼魚から雌となり産卵などもする。そこから大きく強くなると自然と雌の機能が衰退し、雄の機能が発達し性転換が始まり雄となる。これがベラやブダイに於ける大まかな雌先成熟の過程。

更にこうした過程の中で、雌の姿をした雄(一次雄)、性転換後の雄(二次雄)が存在する。そのため二次雄の雄を雄相、雌と一次雄を雌相と呼ぶ。

簡単に言えば、解剖でもしなければ体色や模様だけで雌雄を判断できないため、雄相・雌相と呼ぶということ。(これらの説明は以下の著書からの要約抜粋)

⑴山渓ハンディ図鑑「日本の海水魚」(頁は版により異なるがケサガケベラの後に記述されている)
⑵ネイチャーウォッチング・ガイドブック「ベラ&ブダイ」Column「雄相と雌相」(p.79)

因みに、ハタ科サクラダイも雌先成熟の種として有名、タイ科のヘダイは雄先成熟。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2020.12.06 #941

撮影ポイント

柏島 後浜no.1.5

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

トカラベラの幼魚は浅場の小さな窪みの砂溜まりで見ることができる。

 

白色の体に黒色の横帯が3本。真ん中の帯の背鰭部分に黄色で縁取られた黒色の眼状斑がある。幼魚の間は各鰭は透明。単独でいる。

 

幼魚好き、幼魚コレクターなら知っておきたい、抑えておきたい1種。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2020.12.06 #941

撮影ポイント

柏島 後浜no.1.5

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

八丈島の八重根で引率の将史くんがトカラベラ幼魚を見つけて呼んでくれた。大きさの違う2個体が居た。
それなりに粘って撮って、ふっと我に返った時には皆んなは先に行っていたが、ダイブマスターのRちゃんが側で待っていてくれた。

 

初めてまともにトカラベラ幼魚を撮れて(当社比?)嬉しかった。最近ベラに嵌っていることを知っていて教えてくれた将史くん、見守ってくれていたRちゃん。
この海で感じた嬉しさや幸せはこの海で表現すべく、皆んなが何かを見ている隙にこっそり、海中一回転?でんぐり返し?(感謝の舞い)を敢行した。大成功。

 

が、BCにぶら下げているライトやカメラがインフレーターホースに絡まりモチャモチャになった。笑

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2020.08.01 #894

撮影ポイント

八丈島 八重根

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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