タカノハダイ
スズキ目タカノハダイ科
2021.2.9:投稿
タカノハダイは伊豆の海でも普通種中の普通種。何処の海にもいる。
「華」のある魚とは決して言えないが、伊豆ダイバーの「常識」として押さえておかなければと思う。そんな魚。
分布域は南日本沿岸の岩礁域。ある図鑑には南日本沿岸域と並んで琉球列島の名が挙がっているが、別の図鑑では「琉球列島を除く」と書かれている。真相は分からない。温帯・亜熱帯域の岩礁や藻場など浅海に生息している。
特徴は白地の体に茶褐色の横縞模様が斜めに走っていること。尾鰭に白色の斑点が多数散在すること。「横縞模様は9本」と書かれているが、写真を見て数えてみても???どの線とどの線を数えると9本になるのか不明。口がタラコ唇なのも同じ科のミギマキと共に特徴的。
甲殻類などの小型の底生生物を摂取して生きている。
人間との関わりとして、食用としては白身魚だが臭みが強く、あまり市場へは出回らない。が、上手く処理をすると非常に美味との説もある。
写真はホンソメワケベラの幼魚が写っているので、クリーニングを受けているタイミングだったようだ。
クリーニング中や捕食中は魚の動きが止まり気味で、絶好のシャッターチャンスと言える。昔は、そうしたタイミングで写真を撮るのは潔くないのではないかと思ったりした。が、今はその考えは捨てた。
データ詳細
撮影日
2014.08.18 #438
撮影ポイント
田子 弁天島
使用機材
Olympus XZ-1
タカノハダイから「私だって、綺麗にポートレート風に撮って!」との依頼が来た。
真横からの図鑑用写真ばかりでは不満なのかもしれない。
「お肌もしっかり写るけど自信ある?」
「大丈夫!私、左サイドからのアングルの方が自信あるワ」
こんなやりとりがあったとか、なかったとか。笑
データ詳細
撮影日
2015.07.01 #495
撮影ポイント
伊東 五島根
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
タカノハダイ 少年
魚類のジェネレーションを表すのに「少年」があるとは思わない。しかし「〇〇19歳」とか「中学生の〇〇」との表現を用いることがある。魚だってある日突然幼魚から成魚になるわけではないのだから、成魚と幼魚の2つだけのジェネレーションに振り分けるのは無理がある。
タカノハダイの成魚の体長は通常30cm近い。写真の個体はせいぜい10cm程度だった。成魚になると無くなってしまう背鰭の黒色の斑紋は残っている。かと言って、幼魚の特徴尾鰭が無色透明ではない。白色の斑点の水玉模様があらわれている。それらの事を勘案して幼魚以上成魚未満の「少年」となった。
この写真は井田の浅場で撮った1枚。
井田の海は、エントリーして真っ直ぐ砂地へ降りて行った深場や、左へ進んだ奥、ケーソンのあたり、表層、何処もそれぞれ魅力的だ。しかし中でもエキジット直前の浅場も大好きな場所の1つ。キラキラと陽の光が届いていれば尚更良い。この浅場は季節来遊魚や思わぬ魚たちに会えるチャンスを与えてくれる。
タカノハダイそのものは決してレアな生物ではないが、こんなサイズの個体は少しレア。しかも注文通り、タカノハダイの生息場所として図鑑でも紹介されている藻場。井田の海はエントリーしてからエキジットするまで全く気の抜けない贅沢な海。
データ詳細
撮影日
2019.04.21 #784
撮影ポイント
井田
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)