ホンソメワケベラ

ベラ科ソメワケベラ属

2021.1.23:投稿


ホンソメワケベラはベラ科の中でも、トップクラスの知名度ではないだろうか。


日本における分布域も広く、伊豆ダイバーにとっても普通種。琉球列島を始めとする各地の暖かな海でも見られる。岩礁域、サンゴ礁域に生息。


本種の最大の特徴は、その生活スタイルだろう。すなわち、他の魚の体に付いた寄生虫を食べて生きていること。また、それ故クリーニングを必要として訪れる魚達から捕食される危険はない。一挙両得、見事な処世術と言える。

小さな縄張りの中で、上下に跳ねるような泳ぎをして魚達をクリーニングステーションへ誘うのだそうだ。


吻から眼を通り尾鰭に至る黒色のラインは尾鰭に近づくほど幅広くなる。また頭部付近は薄っすらと黄色味を帯びる。
写真はアジアコショウダイをクリーニング中。後ろはアカマツカサ。なんとも贅沢なバック陣。

余談追記:ニセクロスジギンポという魚(イソギンポ科) 見た目は本種ホンソメワケベラの成魚と瓜二つだが、写真を良く見るとこちらの種は口が吻の下側に付いている。そして見た目だけではなく、行動も擬態しているらしい。
ところが騙されてはいけない。こちらは寄生虫のクリーニングではなく、鰭や皮膚の一部を齧り取って食べるのだそうだ。
この魚の存在を今まで知らなかった。海の中でも写真を見ても、ニセクロスジギンポの可能性を確認してこなかった。私もまんまと騙されてきたのかも知れない。


参考写真:2015年5月 安良里 沖の根

オオモンハタの口の中を清掃中のホンソメワケベラ。

ブダイの項で「海の中には、ホンソメワケベラが経営するクリーニング店はあっても、矯正歯科医はいないのか?」との記事を書いた。(ブダイの歯並びに驚愕したので)

ホンソメワケベラ「口腔内清掃」まで業務を拡張しているとは!


データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2019.10.06 #836

撮影ポイント

屋久島 一湊 お宮前

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

ホンソメワケベラの幼魚。
幼魚の体全体は黒っぽい色。吻から眼の上を通り尾鰭の先端まで届く青色のラインが良く目立つ。

 

幼魚のくせに、随分上等な客筋を掴んでいる。この時の客はアカオビハナダイの雄。

 

実を言うとこの写真、ホンソメワケベラを狙った訳ではない。いくらマニアックでもそれはない。
アカオビハナダイを前にホンソメワケベラは狙わない。アカオビがピンボケで「ホンソメワケベラの幼魚のピントはまあまあ」という1枚。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2016.11.15 #605

撮影ポイント

井田 奥

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

このHPを開設するまでは、iPadの中のアプリを使ってごくプライベートに図鑑を作って楽しんでいた。その頃は「海の人々」というフォルダーもあった。その人らしい写真を撮って蒐集していた。
この1枚は「海の人々(マサさん)」と「ベラ科(ホンソメワケベラ)」のどちらで扱うか結構迷った。

 

ホンソメワケベラは、マウスピースに付いた汚れ?或いは口元のヒゲをクリーニングしているのか。なんとも仕事熱心だ。
マサさん(インストラクター)はホンソメワケベラが勘違いするほど、自然と同化して海の中の一生物となってクリーニングを受けている。

 

両者、見事なプロフェッショナル!!笑

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2014.10.31 #450

撮影ポイント

屋久島 一湊 タンク下

使用機材

Olympus XZ-1

せつこ

2021.01.24

13:20

アカオビの表情が何ともね 笑
腕の良い先代を持つと後継者は大変なのかな?!
タグ付けの件、分かりました。

まき

2021.01.23

16:51

アカオビの余裕ぶり?貫禄?と、幼魚ちゃんの一生懸命な感じ(多分)が海の中の世界にも色々あるんだなぁって思います。きっと先代のオヤジさんはよほど良い腕だったんでしょう☺️
そして、クリーニングされてるヒトは初めて見ました🤣さすが、マサさん!!間違いなくこの写真は「人々」カテゴリーのマサさんにもタグをつけて良いと思います👍

コメント

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