セノウヒカリイシモチ
スズキ目テンジクダイ科
2021.5.19:投稿
「瀬能宏さん」
この名前に心当たりがありますか?
日本の魚類学の権威。瀬能宏さんは図鑑「日本の海水魚」や「日本のハゼ」を監修された魚類学者。両著書ともダイバーにとって”バイブル”と言っても過言ではない。
和名:セノウヒカリイシモチ
学名:Siphamia senoui Gon &Allen,2012
和名と小種名は瀬能さんへ献名。
(因みに瀬能さんの名前を冠した魚は他にも数種類存在する)
有名どころでは
キビレヘビギンポ:Enneapterygius senoui
そんな魚についてここで書くのは何やら背筋が伸びる思い(だが、臆面もなく書く)
【分布域】図鑑への記載がなくよく分からない。奄美大島、琉球列島(沖縄本島、石垣島)からの撮影報告あり。
【生息域】サンゴ礁域のトゲサンゴなどにの枝の間(奥の方)に隠れている。単独ではなく数匹の群れで生息する。水深15〜30m。
【特徴】頭部のほとんどが眼かと思う程大きな眼。虹彩はオレンジ色。その虹彩と黒色の瞳との境には青色が美しく輝く。頭部は明るいオレンジ色で体後方へいく程薄くなる。胸には幾本ものオレンジ色の細い線が入る。体長は3〜4cm位。
参考写真は枝の奥に隠れている様子。
データ詳細
撮影日
2021.05.04 #987
撮影ポイント
奄美大島 倉崎ビーチ
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
セノウヒカリイシモチに私が会った前夜、
Rちゃんがその日に倉崎ビーチで撮った本種の写真を見せくれた。
S:うわーキレイ!何これ?
R:龍くんも見てたらしくて「なんだろうね?」って。イナピカ(イナズマヒカリイシモチ)に似てるからヒカリイシモチ系だと思って調べたら”セノウヒカリイシモチ”だった。
S:セノウってあの瀬能さんかなぁ?(この日の夜、Rちゃんに「やっぱり瀬能さんへの献名だって」とLINEを送った)
(いつも一杯一緒に潜って色々話しをしているRちゃんだからこそ、セノウヒカリイシモチをどれだけ私が撮りたいかは語らずとも分かってくれている)
そして翌日の午前中、倉崎ビーチ。
龍くんとRちゃんが、覚えていた水深でセノウヒカリイシモチがいるサンゴを見つけて、別チームの私の到着を待っていてくれた。将史くんに連れられて2チームが合流した。
意中のセノウさんはサンゴの奥深くに隠れている。私の技量では撮るのは困難だと思われた。
しかし、強力な助っ人・龍くんがライトで枝の間を照らし、更に撮りやすい場所へ誘導。恐らくこのサポートがなければ撮れなかっただろう。
粘ること数分。総勢13人、皆んなを巻き込んでの撮影は20分にも30分にも感じた。
龍くんにOKサインを出して、先の海へ皆んなで移動した。
先へと泳ぎながら、私はオイオイと声を上げて泣いた。泳ぎながらしばらく泣いた。目からは涙が溢れた。(もう一人の自分に「もう〜!歳ねぇ〜。涙脆くなっちゃったの?これじゃ使い物にならないね」と突っ込まれた)
将史くんに近づいて、彼のスレートに「皆んなの優しさが嬉しくて、海の中で初めて泣いたよ。ありがとう!」と書いた。
海の中で泣いたことがありますか?
Dive本数1000本を目前にこの時初めて知ったことがある。
海中ではマスクをしているから涙を拭えないと。涙でまつ毛を濡らすと視界がひどく悪くなると。
このHPの公開1番最初の投稿は「Blue Head Tilefish」
そこで次のように書いてこの図鑑をスタートした。
一枚の写真。
背景には「思い出」が、そして「ものがたり」が。
データ詳細
撮影日
2021.05.04 #987
撮影ポイント
奄美大島 手広海岸
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
節子
2021.05.19
23:38
コメント嬉しい😊
“セノピカものがたり”は熱い内に書かねばと思って!
これからも楽しい”思い出やものがたり”を一緒に紡いでいって下さい。
ホントあの時幸せだった❣️
R
2021.05.19
22:31
あの時のものがたりが詳細に書かれていて嬉しくて出てきちゃいました〜。イナピカの友達だからセノピカ?すっごい可愛かったね♪♪私にとっても、とってもとっても思い出深い生物になりました!