サギリオトメウミウシ

タテジマウミウシ科オトメウミウシ属

2021.12.18:投稿



【分布域】本州、九州。
【特徴】体地色は白色。成長した個体は灰黄色味を帯びてくる。背面の縦ヒダに沿って黒褐色の細い線が多く入る。口幕縁と外套周縁部は白色でその内側は淡黄色の線で縁取られる。体表全体に黒色の斑紋が散在する。触角は黒色。体長20mmに達する。


サギリオトメウミウシ

熱海のボートポイント「ソウダイ根」で数日前に潜った。
潜水時間の終盤、根の浅場の平坦な斜面にポツリといるところを紹介された。
浅場であることも手伝って、海はウネっていた。

私の目にそのウミウシは、軟膏か何かのチュウブからにょろにょろと絞りだされたような細長い姿に見えた。
近づいて目を凝らして見てみると「あ~なんちゃらオトメね」と思った。既に何度か撮っているウミウシと踏んで、余りテンションは上がらなかった。


ところが、この時、ここからの私は偉かった!(自画自賛)
以前撮ったことがあるからと いい加減な扱いをせず、ピンボケやブレを防ぐため自分の身体とカメラを出来得る限り固定してシャッターを切った。更に念の為に複数回撮った。

私が海の中で「なんちゃらオトメ」だと思ったのは「オトメウミウシ」のことだった。
しかし、ログ付けの時「オトメウミウシの触角はオレンジ色だから、これは別のウミウシですね」と指摘された。

ウミウシ図鑑を入念に調べると「サギリオトメウミウシ」だった。
my新種のウミウシ。




「狭霧」ウミウシ

何と趣のある名前だろう。
「狭霧」は秋や天文の季語だそうだ。
ネットには”狭霧”の例文として次が記載されている。
「・・・いつか狭霧が晴れ、川音が陽の光をふるわせて、伝わって来た。女のいかつい肩に陽の光がしきりに降り注いだ。・・・」織田作之助『秋深き』


サギリオトメウミウシ!忘れられないウミウシになった。






データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2021.12.14 #1080

撮影ポイント

熱海

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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