ムツ

スズキ目ムツ科

2021.2.16:投稿


和名”ムツ”の由来は「むつっこい」「むつい」など、”脂っぽい”という意味の言葉から来ている。漢字では「鯥」

分布域は広い。北海道〜九州南岸の太平洋沿岸と、同じ北海道〜九州南岸の日本海・東シナ海沿岸など。

稚魚は沿岸から沖合の表層で多く見られる。幼魚になると沿岸の浅場、更に成長して成魚になると水深200〜700mの深海へと移動する。成魚は全長60cm、時には1mを超える大型の肉食性の深海魚。

写真の個体は「幼魚」

この「ムツ」を初めて認識し、カメラに収めた経緯は以下の通り。

・図鑑「日本の海水魚」のハンディ版にも分厚い方の図鑑にも、ムツ科の魚は本種1種のみが細々?と掲載されていて、私はこの魚のことを全く知らなかった。

・2019年7月初旬 前日は伊東、この日は雲見で潜っていた。引率はミカちゃん。1本目と2本目の間の休憩時間に皆で雑談していた。その時のミカちゃんの話の中に「ムツ」という聞きなれない(知らない)魚の名前が出てきた。

そこですかさず、ムツを撮ったことが無い事と併せて是非撮りたいとリクエストした。

・早速2本目で、ムツが群れている水路の暗い場所へ案内してくれた。ムツをゆっくり見たり撮影したいダイバーは他にそうは居ない。私を置いて皆は違う場所へ。ゆっくり時間を貰って何とか写真を撮る事ができた。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2019.07.02 #818

撮影ポイント

雲見 水路

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

ムツ 幼魚

 

幼魚の体色は赤褐色から黄色褐色と書かれていたりするが、実際に見た印象では背側は淡く黄色味掛かっていて、腹部は銀色に輝く体色。
眼は頭に対して大きく、背鰭は前後2つに分かれている。水路の中程、大きな暗い空間に数十匹で群れていた。
実際に自分の目では観察出来なかったが、幼魚の口の中は白色だそうだ。これが成魚になると黒色になるそうだ。口も大きく、上下の顎に鋭い歯を持っているらしい。

 

同じムツ科のクロムツは超高級魚として市場に流通している。本種とクロムツの判別は極めて困難らしい。また、名前のよく似た「アカムツ」は別名”ノドグロ”と呼ばれ、こちらも超高級魚。「白身のトロ」と言われているそうだ。ただしこちらの「アカムツ」はムツ科ではなくホタルジャコ科に属している。

 

余談追記:「ムツ」という名前の音と、漢字表記の「鯥」の字の部首を見て連想したのが『陸奥守吉行』(むつのかみよしゆき)
幕末の志士・坂本龍馬が、かの有名な近江屋事件の際佩刀していたのがこの『陸奥守吉行』
司馬遼太郎「龍馬がゆく」の中にもその名が出てくる。
司馬遼太郎、藤沢周平、山本周五郎。今の若い人にはあまり馴染みが無い作家だろうか?私はそれぞれ大好きな作品が多い作家達。(ここは「海の生物図鑑」だった、、、。)

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2019.07.02 #818

撮影ポイント

雲見 水路

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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