ムラサメモンガラ
フグ目モンガラカワハギ科
2021.8.14:追加再投稿
【分布域】伊豆半島、小笠原諸島、屋久島、琉球列島:済州島、台湾、インドー太平洋、アフリカ西岸。
【生息域】サンゴ礁域に生息。礁池内の浅い水深で見られる。
【特徴】体側中央にあるややぼやけた黒色の域から、下方へ放射線状に青色や黒色のラインが伸びる。両方の眼の間には3本の青色のラインがある。口から胸鰭にかけては黄色いラインが伸びる。普通種。
『日本の海水魚』山渓ハンディ図鑑では、ムラサメモンガラ・タスキモンガラ・クラカケモンガラのそれぞれの写真が1頁に並んで掲載されている。随分前から、この内の1種類でも見たいと思っていたがなかなかチャンスは巡ってこなかった。
2018年に行ったパラオでのラスト・ダイブ、マリンレイクというポイントで一瞬だがムラサメモンガラの姿を初めて見た。見たのはコンマ何秒だった。しかしあの派手な色彩、目に焼き付くには充分な時間だった。
ムラサメモンガラ!パラオで撮るしかないと心に決めた。
2020年、この年泊まったホテルの入り口に約4m四方のコンクリートで作った浅い池?があった。
ホテルに到着早々衝撃的な出会いが待っていた!! まだ海に潜ってもいないのに”ムラサメモンガラ”に会ってしまった!
ムラサメモンガラが池で泳いでいたのだ!
リクエストはしていたが「もし海で会えなかったら、私はこの池に入って撮るヨ」と皆に宣言。
(こうした環境下での写真、私の図鑑では認可されていない)
しかし、幸運にも宣言は無駄になった。初日から自力で見つけることが出来たし、最終日にも見せて貰った。
データ詳細
撮影日
2020.03.21 #867
撮影ポイント
Palau Chandelier Cave 前
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
「ムラサメ」と聞くと何を連想すだろうか?
本種の名前の由来はなんだろう?
一番に頭に浮かぶのは。
滝沢馬琴『南総里見八犬伝』に出てくる妖刀・村雨丸。「抜けば玉散る氷の刃」
が、ムラサメモンガラはこの妖刀には関係ないと思われる。
次に浮かんでくるのは。
今ではあまり使われないが、晩秋から初冬に向かう季節に降るにわか雨 ”村雨”。
ムラサメモンガラの体側中央にある「ぼやけた黒色の域」が、空に掛かるどんより暗い雨雲。そこから伸びるラインが「村雨」を連想させての命名ではないだろうか??
一方本種の英名。
・Lagoon Triggerfish
礁湖・インリーフにいるモンガラカワハギ。Triggerfish はモンガラ類の魚の総称。
トリガーフィッシュ!!引き金を引く魚?? 確かにあの凶暴なゴマモンガラの一族。
ムラサメモンガラもそれなりに攻撃的な性質のようだ。
・Picassofish
ピカソフィッシュとは、ムラサメモンガラの色彩がまるでピカソの絵のように前衛的ということか。
データ詳細
撮影日
2020.03.21 #867
撮影ポイント
Palau Chandelier Cave 前
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
ムラサメモンガラ 幼魚
小さな体のムラサメモンガラ。色彩が成魚より鮮明で色がくすんでいない。逃げられ気味にそっぽを向かれた。
ここは2年前にムラサメモンガラの姿を、ほんの一瞬見たポイント。マリンレイク。
冒頭の写真の個体を撮ったのはダイビングショップから直ぐのシャンデリア・ケーブ前。どちらも浅い水深で砂泥底。
データ詳細
撮影日
#872
撮影ポイント
Palau Marine lake
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)