ミナミウバウオ

スズキ目ウバウオ科ミサキウバウオ属

2021.4.7:投稿


柏島の現地ガイド梶原さんが、私のリクエストしたミサキウバウオを探すため岩の割れ目をライトで照らしたが、そこにお目当てのミサキウバウオはおらず、代わりに本種ミナミウバウオを紹介してくれた。(この後直ぐに別の似たような場所でミサキウバウオを見せてくれた)

この写真はその時のものだが、カメラを構えながらターゲットにしている魚の名前も知らなければ、その姿に見覚えもなかった。

陸に上がって梶原さんに、さっき見た魚は「ミナミウバウオ」だと教えて貰った。


「日本の海水魚」(山と渓谷社)にミナミウバウオは載っていない。他の何冊かの図鑑にもミナミウバウオの記載はない。ウェブサイトを検索しても写真だけのサイトが2〜3と串本海域公園のサイトの小さな記事があるのみ。
仕方なく尚も情報を探していたら次のような面白い記事を見つけた。


鹿児島大学のHP・トピックス(2020年2月27日掲載の記事)に研究成果として「大学院生がウバウオ科魚類の新種を発見」とある。
トピックスには「それまでミナミウバウオはLepadichthys coccinotaenia との学名が適用されてきたが、これはインド洋南西部のみに分布する種で、日本に生息する個体群は新種であり、同時に日本固有種であることが分かった」「新しい学名:Lepadichthys trishula  サンスクリット語のトリシューラは、ヒンドゥー教の神であるシヴァが持つ三叉槍のことを指している。これは本新種の特徴、頭部背面にある3本の黄白色の線に因んで命名された」などの内容が記されている。

ミナミウバウオの頭の線には、そんな意味合いが隠されていたとは面白い。





データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2020.12.06 #942

撮影ポイント

柏島 民家下北北

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

1枚目の写真と同じ時のもの。ミナミウバウオの写真はこの2枚のみ。

 

ミナミウバウオは岩礁域の浅い水深の岩の割れ目、ガンガゼのそばで生息していた。

 

体長は約3cm。体色は薄い焦げ茶色。頭部背面は赤褐色で腹面は乳白色。最大の特徴は学名命名の由来ともなった、頭部に走る黄白色の縦線3本。腹鰭は吸盤状になっている。

 

ミナミウバウオの出会いのきっかけとなったミサキウバウオ、実は前回訪れた柏島で紹介されたが上手く撮れなかった。リベンジを果たすべくリクエストしたのだが、それが奇しくも本種ミナミウバウオとの出会いへと繋がった。「失敗は新種との出会いのもと」なんて格言、有ったような無かったような。。。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2020.12.06 #942

撮影ポイント

柏島 民家下北北

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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