クロイシモチ

スズキ目テンジクダイ科

2022.3.29:投稿



【分布域】伊豆大島、神奈川県、長崎県以南。
【生息域】内湾の小石混じりの砂泥底や砂底に生息。海底にある瓶や缶やタイヤなどの人工物の中、海藻や枯葉やごみが溜まるような場所に隠れていることが多い。生息水深は浅い。
【特徴】体は黒色あるいは黒褐色。体はやや丸みを帯びていて体高が高く側扁している。体長は10㎝程でテンジクダイ科の魚としては比較的大きい。頭部が大きい。背鰭、腹鰭、臀鰭は体色と同じような色をしているが、尾鰭は透明。体に対して腹鰭や臀鰭が大きい。体側に薄い黄色の横帯が出ることもある。小型の個体では金色の体色のものもいる。



「また、夏に会いにいくよ!」

【生息域】に書いてある通りの場所にいた。
直ぐ横には細いパイプが横たわり枯葉や藻がある、差し詰め海の中の「吹き溜まり」のような場所。そこにクロイシモチ1匹がやっとおさまる程度の小さな穴、その穴に隠れていた。

用心深く頭だけを出して、大きな眼で周囲の様子を窺っていた。


クロイシモチは、私にとっては1023番目のmy新種の魚。
地味な魚ではあることは否めないが、どこにでもいるような魚ではない。
これが”一期一会”になるかも知れない。
かなり食い下がったが、この時は全身を現わしてはくれなかった。


その後、10分位の間をおいて再びクロイシモチの居場所を窺ってみた。
警戒心を解いて油断していたのか、全身を穴から出していた。(参考写真:同じ時の同じ個体)

欲を言えば、特徴的な大きな腹鰭や臀鰭を捉えた1枚をモノにしたい。



潜り終わって器材を洗いながら、現地サービスの方からの情報を耳にした。
「夏にはクロイシモチが口内保育をする姿が城ヶ島ビーチでは見れる」と。

テンジクダイ科の魚は、雄が口内保育をすることが知られている。雌が産卵した卵を口に咥えて、飲まず食わずで新鮮な酸素を送り続けて育てる。元祖「イクメン」。


地味でマニアックな本種クロイシモチの口内保育を見てみたい。
願わくばその様子を写真におさめたい。


「夏」の城ヶ島ビーチ。
俄然、熱くなって来た!!! 笑

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2022.03.25 #1112

撮影ポイント

城ヶ島 梶が浜ビーチ

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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