コブシメ

コウイカ目コウイカ科

2021.4.29:投稿


この写真は屋久島で撮った。比較的小さな個体だった。見ている間にも刻々と体色が変化していった。威嚇していたのだろうか。コブシメの体細胞には沢山の色素があり、状況を判断して体の色を変えることができる。

例えば雄Aの右側に雌がいて、左側に別の雄Bがいた場合、雄Aは体の右半分は雌へのアピール色を出し、左半分は威嚇の色を出すことがあるそうだ。そんな器用なことが出来るとは!

体の地色は紫褐色で全身に白色や黒色の斑点がある。同属の別の種には白色の斑点はないので、その辺が本種を見分けるポイント。またコウイカの仲間では最大種。



コブシメは紀伊半島以南から、屋久島、奄美群島、琉球列島に分布。海外では西部太平洋、インド洋の熱帯域。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2020.10.17 #924

撮影ポイント

屋久島 一湊 お宮前

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

コブシメの産卵

 

2014年3月初旬 石垣島へ行った。初日の1本目でいきなり「コブシメの産卵」という貴重な生態シーンを見せて貰った。
コブシメの産卵盛期は3〜5月。産卵は日中にペアーで行われる。ハマサンゴやイシサンゴのような枝が密で奥が深いところを選んで産み付けられる。

 

触腕をサンゴの枝の奥深くへ差し入れて、卵を産み付けているシーン。卵(卵嚢)は直径2〜3cm位の乳白色でピンポン球のような感じ。この時、卵を目では確認したが不覚にも撮り忘れた。卵をトータルで100〜200個産む。こうした産卵を数回に渡って行い、その後数ヶ月で命を終える。

 

下の参考写真はデータに拠ると上の写真の6秒前。産卵場所を吟味しているところだろうか。

 

コブシメの寿命は1〜1年半と短い。その為か、ダイバーが近寄っても構わず産卵を続ける。子孫を残すためには人間に構っている場合ではないのだろう。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2014.03.03 #404

撮影ポイント

石垣島 大崎ハナゴイリーフ

使用機材

Olympus XZ-1

「産卵はペアーで行われる」と上で書いたが、この写真のようにそばで雄が産卵を見守る。

 

コブシメは一夫一妻制だが「放浪雄」がいるので雌を横取りされないように雄は見張っているのだそうだ。もし「放浪雄」が横から入ってきた場合は激しい雄同士の闘争になる。

 

雄と雌の違いはこの写真でよく分かる。雄の方が濃い色で模様がはっきりしている。雄はエンペラ(外套膜のヒラヒラしたところ)から胴にかけて横縞が見られる。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2014.03.03 #404

撮影ポイント

石垣島 大崎ハナゴイリーフ

使用機材

Olympus XZ-1

沖縄で出会ったコブシメ。ペアーではなく単独でいた。放浪雄だろうか??(私の想像で根拠は無い)比較的大きな個体だった。

 

「コブシメ」の名前は沖縄では「クブシミ」と呼ばれ食用にされている。「クブ」はとても大きいとの意味。「シミ」は墨のこと。「クブシミ」はとても大きく墨が沢山取れるイカとの意。
アオリイカと並んで高級なイカでかつては琉球王朝の宮廷料理にも用いられたようだ。

参考写真も同じ時のもの。正面顔。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2019.10.21 #841

撮影ポイント

沖縄本島 残波 イナンビシ

使用機材

Olympus XZ-1

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