キビレマツカサ

キンメダイ目イットウダイ科

2021.9.14:投稿



【分布域】駿河湾以南の南日本の太平洋岸、伊豆・小笠原諸島、琉球列島。
【生息域】水深30m以深のやや深い場所に生息する。潮通しの良い、暗い場所を好む。
(インデックスの写真は本種が通常生息する環境に沿った背景の1枚を選択した)
【特徴】胸鰭以外の全ての鰭が黄色。他のイットウダイ科の仲間と混じって小さな群れを作っていることが多い。





「ROAD TO KIBIRE!!」

キビレマツカサへの道のりは長く続いた。Goalするのに6年の歳月を要した。
キビレマツカサへの長い道のりには、いつも傍(かたわら)に”夢”が寄り添っていた。
そして、何より。
キビレマツカサへの道のりには、揺るぎない”信頼”があった。
いつの日か必ず将史くんが見せてくれるという。




キビレマツカサは壁の窪みやオーバーハングのような暗がりを好む。
冒頭の写真、青抜きでキビレマツカサを撮れたのは正に”望外”の喜びだった。
長く待ったことへの神様からのご褒美だったと思っている。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2021.07.30 #1021

撮影ポイント

八丈島 イデサリケ浜

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

もうずいぶん前からお店では毎年7月末の週末に「八丈島ツアー」が開催されていた。
私は長らく、ブログでその「八丈島ツアー」を見ているだけの、ただの”傍観者”に過ぎなかった。
八丈島のビーチポイントのエントリーやエキジットは難易度が高く、自分には無理だと端から諦めていた。

 

「八丈島ツアー」のブログに何度かアップされていた「キビレマツカサ」の写真。このキビレマツカサ、八丈の海では”普通種”らしい。(しかし、そこらじゅうに居るわけではない。この辺が”出会い”の難しさ)
「八丈の海にはこんな魚がいるのか」と私の心に強い印象を残した。
こうして私の 「ROAD TO KIBIRE」 は脳内での4〜5年に渡る助走期間があった。

 

2016年7月末。
「僕がサポートするから大丈夫ですよ。行きましょう!」という将史くんの言葉で、空想の中だけでの”八丈の海”がこの年初めて「現実」のものとなった。
ひと度八丈の海に身を沈めてみると、すっかりその海に魅了され毎年通い始めた。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2021.07.30 #1020

撮影ポイント

八丈島 局長浜

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

八丈の海

 

外気温は30℃を超えているのに、水温は14~15℃の”冷水塊”が八丈へ押し寄せた年もあった。(2017年)
台風が八丈島を直撃して恒例の7月末には行けず、11月に仕切り直したこともあった。(2018年)
海が荒れてほぼ全てのポイントがクローズになり、八丈”最後の砦”と呼ばれる神湊港という最大水深10m位のポイントで私は800本の記念DIVEを迎えたりもした。(2019年)
ナズマド名物「南潮」という強いアゲインストの激流に遭遇したこともあった。(2020年)
八丈からは遠い台風8号のうねりなのか、南海上にある熱帯性低気圧のうねりなのか。。。八丈島到着日は3ボートダイビングとなった2021年。

 

全ては「ROAD TO KIBIRE」 の途中であった忘れられない”出来事”であり、その途中で見た”風景”である。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2021.07.30 #1020

撮影ポイント

八丈島 局長浜

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

会えない時間は「想い」を増幅させる。笑

 

2020年7月末
ナズマドというビーチポイントの奥には”素敵な場所”(by現地ショップオーナー)がある。
キビレマツカサが居るという情報をもとに遥々泳いだ。するとそこにはナメモンガラやトサヤッコが泳いでいた。
それだけで私のテンションは上がった。
そんな時、将史くんが私を呼んだ。
駆けつけると、小さな穴の中を指差している。小さな入り口から覗くと、1m四方位の狭い穴の中ではキビレマツカサ1匹とベニマツカサが数匹泳いでいた。

 

ネット上や図鑑ではない、これがキビレマツカサとの海の中での初めての出会いだった。

 

キビレマツカサの鰭の「黄色」は、私がそれまで見てきたどんな「黄色」より美しかった。輝くオーラのある「黄色」だった。
(因みに、イットウダイ科の魚は背鰭を倒していて滅多に開かない。このキビレ、せめてものサービスに背鰭をやや開いてくれている)

 

当然?のようにまともな写真は撮れなかった。 突然の大接近に対応出来なかった。

 

この時、将史くんは言った。「せっちゃん!俺、全然満足してませんから!もっとちゃんとしたところで見せますよ!」と。

 

翌年(2021.7) その将史くんの言葉通り、願ってもない程のキビレマツカサを見せて貰った。

 

 

「ROAD TO KIBIRE」

 

そのGOALの先で見た「青の海に映える黄色の鰭と赤い体のキビレマツカサ」の美しい風景。
そこへ至る長い道のり。その途中で見た幾つかのシーン。
今では「キビレマツカサへ道のり」の全てが、心から懐かしく愛おしい。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2020.07.31 #890

撮影ポイント

八丈島 ナズマド

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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