フタイロサンゴハゼ

ハゼ科コバンハゼ属

2021.2.21:投稿


フタイロサンゴハゼは何故”フタイロ”なのか長い間疑問に思っていた。

いつ頃だったか、やっとその疑問が解けた。


私がそれまで見ていたフタイロサンゴハゼは比較的若い個体だったようだ。上の写真のように体がそれなりに大きい個体(3.5cm)は胸鰭や背鰭、そして体の後半から尾鰭にかけて暗褐色になっている。頭や体の色は赤味掛かったオレンジ色(赤茶色との表記も)2つの色を持っている。

ところが若い小さな個体(2cm)は胸鰭や背鰭がほぼ透明で、色と言えば頭や体のオレンジ色1色のみ。それが原因で湧いた疑問だった。

見た目の特徴の1つは、頭部に細い水色の細い横線が5本あること。

英名はFive-lined coral goby

参考写真:安良里の沖の根で撮ったフタイロサンゴハゼ。

小さな個体で各鰭もまだ透明に近い。私の疑問はこんな個体の色のせい?!

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2018.11.24 #755

撮影ポイント

石垣島 名蔵湾 マッシュルームⅡ

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

フタイロサンゴハゼの分布域は小笠原諸島、八丈島、和歌山県、高知県柏島、屋久島、種子島、琉球列島。
こうしてみると本種は南国種のようだが、ずいぶん前から田子の弁天島で観察しているし、伊豆の他のポイントでも見ることができる。

 

サンゴ礁域の水深20m位までのミドリイシ属のテーブル状のサンゴの枝の間に隠れている。
成魚ほど枝の奥の安全な場所にいるようだ。ここも縦社会?力関係なのか?
私がサンゴの外側にいる若い個体を見ることが多かったのはそんな理由もあったのかもしれない。
フタイロサンゴハゼの体は厚い粘液で覆われていて、この粘液は毒があるとのこと。

 

写真の個体は鰭がほんのりと色づき始めてきた若い個体。珍しく尾鰭までの全身を撮らせてくれた。

 

私が訪れた「黒潮生物研究所」のウェブサイトに以下のような記述がある。参考までに以下抜粋。
【サンゴの間で暮らすコバンハゼ属やダルマハゼ属は「コーラルゴビー」と呼ばれ、双方向の性転換(オスがメスになったり、メスがオスになったりする)を行うことが知られる。】

 

余談追記:改訂版の出版が長く待ち望まれていた2004年刊行の『決定版 日本のハゼ』。ついに改訂・増補された『新版 日本のハゼ』が、2021年2月8日に書店発売となった。楽しみだ。表紙の写真がモエギハゼからアケボノハゼにバトンタッチされた。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2021.01.23 #950

撮影ポイント

田子 弁天島

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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