ブチススキベラ
スズキ目ベラ科ススキベラ属
2024.07.03:投稿
【分布域】伊豆諸島、小笠原諸島、硫黄島、千葉県館山湾、高知県柏島、長崎県野母、男女群島、愛媛県内海湾、鹿児島県笠沙、屋久島、琉球列島、尖閣諸島、南大東島。
【生息域】水深10m前後の岩礁やサンゴ礁で見られる。
【特徴】雌雄の色彩は全く違う。雄相は体全体が青く発色していて非常に良く目立つ。雌相は体全体が水玉模様で覆われる。尾鰭にも水玉模様があり、黄色が淡く、境界線が不明瞭。幼魚は白色、茶色、黒色など色彩バリエーションに富む。ひらひらと漂うような泳ぎ方は水中に漂う海藻などに擬態していると思われる。
【識別ポイント】雌相はクロフチススキベラやホクトベラに似るがこれらの尾鰭には水玉模様は無く、境界線が明瞭。幼魚はホクトベラやニューギニアベラの幼魚に似るが本種には背鰭や臀鰭に眼状斑がないことで識別出来る。
「ブチススキベラ 幼魚」
ブチススキベラの幼魚は、海中をひらひらと漂うように泳いでいる。
私には「撮れるものなら撮ってごらん!」と挑発して来ているように思える。
もちろん、それは私の考え過ぎ(笑)
海藻類に擬態して成長するまでの安全を確保しているのだろう。
幼魚の体側には不規則で崩れたようなまだら模様があり、それが名前の“ブチ”に繋がる。
そして体側には白い小点が幾つかある個体が見られる。
写真の個体の体側にはまだら模様はあまりないが、背鰭に2つ”まだら模様”が見られる。
参考写真:2024.6.17 @柏島 勤崎
このレベルの幼魚には濃いまだら模様はあまり見られないことが多い。ただ、淡い緑色の部分がまだら模様とも言えるのかも知れない。
データ詳細
撮影日
2018.12.11 #758
撮影ポイント
田子 小蝶アラシ
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
「疑惑のブチススキベラ雌相?」
「クロフチススキベラの雌相とは違う?!」
「はて?」と海中で感じた。
その原因は尾鰭の黄色が鮮やかな黄色ではなかっらためらしい。
が、自宅で精査すると、ブチススキベラの雌相なら「尾鰭にも水玉模様がある」と図鑑には書かれている。
しかし、図鑑に掲載している雌相の写真の個体にもあまり水玉模様はない。
ならば尾鰭の黄色が鮮やかではない点に注目して、本種ブチススキベラの雌相の可能性が高いと判断した。
データ詳細
撮影日
2024.06.17 #1411
撮影ポイント
柏島 勤崎
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.9~18mm F4.0~5.6)