バラフエダイ

スズキ目フエダイ科

2024.1.11:再投稿



バラフエダイの産卵を”特等席”で見た!
冒頭に動画を含めて再投稿。




2021.8.4:投稿



【分布域】南日本の太平洋、八丈島、小笠原諸島、屋久島、琉球列島。
【生息域】潮通しの良い岩礁域やサンゴ礁域に生息。
【特徴】眼の前方に溝が水平にある。各鰭の縁は黒色。体に対して極端に口が大きい。
フエダイ科の中でも大型種で成魚は1mに達する。礁外縁のドッロプオフの上で大きな群れを作ることもあるが、単独で行動することが多い。肉食性。





「バラフエダイの産卵」

満月前の3日~1日前にバラフエダイの大群が産卵を始める。
ウーロン島の沖にあるポイント・シャークシティは、コーナーがあり流れが半端なく強い。
下げ潮の時間帯、バラフエダイが産卵した”卵達”はその速い潮の流れに乗って、遠い遠い沖へと運ばれる。


この神秘に満ちた”命の営み”が目前で繰り広げられた!!


体を黒い婚姻色に変えたバラフエダイは、大群になって上昇する。
一瞬、煙のように濁るのは、産卵と放精の瞬間。



バラフエダイの産卵




「激流・シャークシティ」

2023年3月。
3年振りのパラオ・ツアーが開催されると聞いて、一も二も無くエントリーした。
いつも通り?!の「ワイド&マクロ多め」の”つもり”でいた。

ところが。
このツアーをリクエストしたのは、あの”ムラマサ”さん。
彼のふくらはぎは尋常ではない(笑)凄い泳力の持ち主。ダイビングの方向性は勿論ワイド!
通常、神子元島などでハンマーを追っている。激流で知られる千葉の西川名などへもしばしば。
今回は脚力がないと使いこなせないバラクーダ・フィンを携えている。


どうやら私は場違いなツアーへエントリーしたらしい。



この年のパラオ・ツアーのメインテーマ=「ペリリューのバラフエダイ産卵狙い」
(もう~、知らなかった~)





ペリリュー遠征の前日、潜り方や陣形など、仮想ペリリューの予行練習もする程の入念な打ち合わせがあった。緊張はいやが上にも高まる。
それでも、当日の海況などで遠征すら出来ないこともある。潜れないこともある。
幸運も味方に付けなければ「バラフエダイの産卵」は見ることなど叶わない。


そんな厳しい海へ、老いぼれ?の私が行けた!!
しかも特等席で産卵の動画を撮れた!!

これには深~い深~い訳?がある。


多分(おそらく)
パラオへ発つ前から、現地ショップのナオさんと今回引率のミカちゃんとの作戦会議が慎重に繰り返された(のだろう)
そして、船にはデニスという青年が乗り込んでいた。彼はペリリューを熟知していて、かつ泳力を含めた高いダイビングスキルの持ち主。

エントリー後も素早く一団となって進まなければ、激流の海ではチームが解体する。

ちなみに、潜降後私はデニスとほぼマンツーでアゲインストの激流の中を進んだ。

私は激流の中を”進んだ”のであって、”泳いだ”のではない。
デニスのBCを”掴んで”進んだ。
(BC:浮力を調整するベストのようなもの)
彼ですら激しいアゲインストの場所では、手で岩を掴んで匍匐(ほふく)前進することもあるので、私と手など繋いではいられないこともあるのだ。

エントリー後30分程経過。
海底にバラフエダイはいたが、産卵はしていなかった。

デニスから親指を立て「安全停止」のサインが出された。
水面3mへ浮上。

「ペリリュー1本目は不発か~」と思ったその瞬間!

黒ずんだ体のバラフエダイの群れが上昇を始め、噴煙のようなものがまき散らされる。
これこそが「バラフエダイの産卵」だ!

目の前のあちこちで「生態ショー」が繰り広げられた!!


デニスといたお陰で私は特等席でこのショーを見ることが出来たのだった。



因みに、皆の息が上がり残圧(タンクの残りの酸素)もギリギリなところ。。。
私はと言うと、デニスといるメンタルの安心感と、ほぼ自力で泳がなかったためか、残圧もたっぷり残っていたのだった(笑)



データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2023.03.05 #1240

撮影ポイント

Palau Shark City

使用機材

GoPro HERO 7 Black

「薔薇笛鯛」

 

和名のバラフエダイを漢字にすると薔薇笛鯛。
成魚は海中ではほぼ灰色に見えるが、陸に釣り上げられた状態では紫褐色で鰭も赤みを帯びる。
赤い体色をバラ(薔薇)に見立てての命名。
海中でしか見たことがないため、意外な和名の由来に驚いた。

 

参考写真:2015.3.19 @Palau Siaes Corner
特徴通りの、礁外縁のドロップオフの上での大きな群れ。

 

「悪人顔」??

 

前々からバラフエダイは、どこか悪人(魚)顔に見えていた。
私の人(魚)を見る目も満更ではないらしいことが本種で分かった?!
理由は幼魚の頃に遡る。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2014.02.18 #403

撮影ポイント

Palau Blue Corner

使用機材

Olympus XZ-1

バラフエダイ 幼魚(中学生位?)

 

このバラフエダイ幼魚の写真、自分としてはお気に入りだった。
猫目でまるでスズメダイ科の魚のようにも見える。
注:この写真より更に幼い頃はもっとスズメダイ類の幼魚に似ている。海中ではなかなか本種だとは気づけないレベル。
ただ、眼の前方の溝はその頃からあるし、口も大きい。

 

図鑑をよく読むとバラフエダイなかなかの曲者だった。
幼魚時代のバラフエダイはスズメダイ類の幼魚に擬態して、スズメダイ類の幼魚の群れの中で混泳。そうやって身を守りながら、スズメダイ類を襲って食べるとか。

 

なんということだ! 
仲間と見せかけ、身を守ることに利用しておきながら、一転襲って食べてしまうとは!!!
種を守るための知恵だろうから、悪くは言えないが。。。

 

ここで話を終われないのが私の悪い癖。
バラフエダイの幼魚のことを書きながら「何かに似ている」と頭の中がモヤモヤ。

 

WOWOWとTBSの共同制作のテレビドラマ「ダブルフェイス 潜入捜査編」「ダブルフェイス 偽装警察編」
バラフエダイ幼魚の生態と、どこか通じるものがある?! 笑
バラフエダイはダブルフェイス!?

 

ドラマの中で、西島秀俊が演じるのは麻薬密売を捜査する警察官だが、指定暴力団の幹部(若頭補佐)として潜入捜査を行う。
一方、香川照之が演じるのは不遇な少年時代に暴力団の組長に拾われ、長じて敢えて警察官となる。神奈川県警で昇進を重ね情報解析主任となり、警察サイドの捜査情報を暴力団へ流す。そこで生まれる様々な葛藤や闘争、、、

 

小日向文世、伊藤淳史、和久井映見、蒼井優なども出演。
おすすめのドラマ。

 

ん? ここは「海の生き物図鑑」だった。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2012.11.02 #310

撮影ポイント

石垣島 名蔵湾 モエギポイント

使用機材

Olympus XZ-1

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