ニラミハナダイ
スズキ目ハタ科ハナダイ亜科
2021.4.30:投稿
2019年 GW 小笠原諸島。
訪れる前から、今小笠原で何が見られるのか現地ショップのブログを注視していた。
4月23日付のショップの記事の中「もう1年以上になるニラミハナダイ。相変わらず照れ屋さん・・なかなか見るのが大変です」
観察されているポイントはチェックダイブ*1)でも行く「兄島・バラ沈」
情報によると通常40〜50mの深場にいるニラミハナダイが15〜20m程の浅い水深にいるようだ。
これを千載一隅のチャンスと言わずして、何と言おう?
【図鑑情報】
本種ニラミハナダイは「日本では小笠原諸島で最初に発見され、その後慶良間諸島、久米島でも発見された」と図鑑に書かれている。別の図鑑には「小笠原諸島以外では稀」とある。
生息場所は「サンゴ礁外縁斜面やドロップオフ側面の水深40m以深」
竹芝桟橋を出港した「おがさわら丸」は、レインボーブリッジを潜り東京湾に別れを告げた後、太平洋をひたすら南下。360°周りは総て大海原。水平線に沈む夕陽を甲板から眺める。
「おが丸」は24時間*2)の航海を経て、翌朝世界遺産の島・小笠原諸島父島の二見港へ接岸した。遥々やって来たのに、ここも東京都かと迎えの車のナンバープレートを見て驚く。
入港後、ワクワク・ドキドキする心を抑え、そそくさと準備を完了。
到着後、最初に飛び込んだのはボニン(無人)ブルーの海「バラ沈」。 ニラミハナダイがいるポイントだっ!
*1) 初日の1本目に基本的なスキルをチェックするダイビング。故に比較的穏やかなポイントで行われる。
*2) 「旧おがさわら丸」(2代目)は東京竹芝桟橋と父島二見港間、25時間半の時間を要したが、「新おがさわら丸」(3代目・2016.7〜)は24時間に短縮された。
データ詳細
撮影日
2019.05.02 #786
撮影ポイント
小笠原諸島 兄島 バラ沈
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
「バラ沈」にエントリーして20分程で対面を果たした。
ニラミハナダイがいたのは、何と!水深約15〜18m。粘れる深さだ。
「バラ沈」は”バラバラになった船が沈没している”との意。ニラミハナダイがいたのも、崩れた構造物の1つだろうか、鉄骨のような柱が1本横倒しになって朽ちている場所。底地は砂と言うより細かな粒子の泥に近かった。
ニラミハナダイと2m程の距離を開けて横一線に私も含めた仲間たちのカメラが並んだ。そこからジリジリと匍匐(ほふく)前進で間を詰める。泥が舞う。カメラのフォーカスが舞い上がった粒子に向けられ難儀した。
この滅多にお目に掛かれない美しいハナダイと対峙してどれだけの時間を費やしただろう。
(因みに粘り過ぎたのか、力が入り過ぎたのか、カメラを支える右手の薬指が軽く腱鞘炎になった。ニラミハナダイを撮るためなら、私にとってはそれも本望!)
ニラミハナダイは眼を通る紫色のラインが特徴。各鰭は黄色い。雌性先熟の種、この個体は雌だ。
私は、雄に会ったことがないが全体的に雌より派手な色彩。尾鰭中央にオレンジ色の斑紋があり、体側の背側の黄色いところに紫色の斑点が並ぶ。
写真の個体の腹側は赤色からオレンジ色に近いが紫色の個体の写真を良く見る。
追記:「バラ沈」についてはヤッコエイの投稿でも触れている。
データ詳細
撮影日
2019.05.02 #786
撮影ポイント
小笠原 兄島 バラ沈
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)