ユウダチタカノハ

スズキ目タカノハダイ科

2023.11.8:投稿



【分布域】琉球列島を除く東京以南の南日本の太平洋岸。
【生息域】浅海の岩礁域に生息。
【特徴】同科のミギマキに良く似ているが、本種の体色は白っぽく、唇は赤くない。また、同科のタカノハダイは白地の体に茶褐色の帯が数本斜めに走る。本種ユウダチタカノハは白地の体に黒色の帯。タカノハダイの尾鰭には白色の円斑紋が多数あるが、本種の尾鰭には無い。
タカノハダイ科の中で本種は個体数が少ない。




「夕立・ユウダチタカノハ」

雨の降る季節、時間帯、強さや弱さ、また雨の続き方や上がり方、それぞれに名前がある。
時雨(しぐれ)、村雨(むらさめ)、驟雨(しゅうう)などがある。

こんな風に細やかに繊細に自然の現象を感じて、区別して、名前を付ける。
それは日本人の風雅な感受性のあらわれ。
そしてそれは、日本に”四季”があってこそ。

近年は温暖化の影響か、まるで熱帯域の「スコール」のような雨も度々ある。



さて、本種「ユウダチタカノハ」
この魚に「ユウダチ」の名を与えた人に拍手を贈りたい。

「夕立」は夏の午後から夕方にかけて、急に降り出すどしゃ降りの雨のこと。
ユウダチタカノハの白地に黒色の斜めに走る帯を”夕立”に見立ててのことだろうか。



冒頭の写真。
つい最近、初めて潜ったポイント雲見・沖の根で撮った。
引率インストラクター・マサさんがスレートに「ユウダチタカノハは(図鑑に)居る?」と。

それを見て私は不思議な気持ちになった。
ここ数年「唇が赤くないミギマキ」「尾鰭が水玉模様じゃないタカノハダイ」をず~っと探していた。
そして、ここ雲見・沖の根でも正に探していたところだった。
余りの以心伝心にびっくり!

紹介されたユウダチタカノハは、ちょうど気持ち良さそうにホンソメワケベラのクリーニングを受けているところだった(下の参考写真) せっかくのところお邪魔して申し訳ないとは思ったが、先ずは「証拠写真」を1枚撮らせて貰った。

その直後、ユウダチタカノハは深い方へと私から逃げ始めた。
当然のことながら、私は追った。
当然のことながら(笑)、魚の方が泳ぐのが速く、2者の間合いは開くばかり。

しかし、油断したのか?!
「やれやれ!」と一休みしている姿が、冒頭の写真。



参考写真:同じ時の同じ個体(証拠写真)



データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2023.11.04 #1336

撮影ポイント

雲見 沖の根

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

「帯に短し、襷に長し」

 

この写真、ライトも当たってはいるし唇が赤くない特徴も分かる。
しかし、肝心の尾鰭が見切れてしまっている。

 

参考写真:2016.6.14 @伊東 白根南
全身が写っているが、ライトが当たっておらず青被りでそっぽを向かれている。

 

長くこの2枚がユウダチタカノハの手持ち写真だった。
「帯に短し、襷に長し」の2枚、撮り直しが急務だった。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2015.09.01 #505

撮影ポイント

伊豆海洋公園

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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