ヤイトヤッコ

スズキ目キンチャクダイ科タテジマヤッコ属

2021.6.26:投稿



【分布域】伊豆半島、高知県、八丈島、小笠原諸島、屋久島、琉球列島。
【生息域】潮通しの良いやや深め(25m以深)の岩礁やサンゴ礁外縁の斜面に生息。中層と言うより比較的海底近くを泳ぐ。
【特徴】雌雄で体の模様が全く異なる。雄は頭から尾柄部基底まで細い暗褐色の横縞が多数入る。一方、雌の体は地色が白色で背側半分は背鰭も含めて淡く明るいレモン色。腹部の白色と背部のレモン色の境界は明確ではなく、徐々に変化する。尾鰭の両端は黒色。
本種は雌性先熟で、幼魚は雌とほぼ同じ色彩である。雄を中心にハーレムを作る。
【識別ポイント】同じタテジマヤッコ属のトサヤッコの雌と本種の雌は非常に良く似ているが。眼の後方に黒色の横のラインがあるか無いかで識別は容易。黒色ラインが無いのが本種である。



「ヤイトヤッコ 雄」

雌雄で体の模様が明確に違うヤイトヤッコ。

コレクターの身としては両性を揃えたいと自然に蒐集に熱が入る。
ヤイトヤッコの場合、先に雌に出会いその2年後に雄をゲットした。

タテジマヤッコ属には本種ヤイトヤッコの他にタテジマヤッコ、ヒレナガヤッコ、ミズタマヤッコ、トサヤッコの5種が日本で見られる。この内、ミズタマヤッコは小笠原近海でしか見られず、生息水深も40m以深。未だ姿を拝んだことすらない。


追加余談:ヤイトヤッコの名前についても触れておきたい。

お灸のことを”やいと”とも言う。灸に使う艾(もぐさ)の色に雌の体色が似てるからとの説。(もぐさは燻んだ色。ヤイトヤッコの雌はもっと綺麗な黄色)

また別の説は雄の横縞を”八つの糸” ヤイトからとの説。(横縞は8本以上有る)

真偽の程は不明。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2019.10.04 #830

撮影ポイント

屋久島 一湊 お宮前

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

「ヤイトヤッコ 雌」

 

2017年10月 屋久島のポイント「一湊 お宮前」

 

この時私は海の中で一人静かに大きな衝撃を受けていた。
透明度の良い屋久島の青い海で、ハナゴンベを撮っていた。ハナゴンベは大好きな魚。それだけでもテンションが上がる。
ところがそこへ予想もしていなかった図鑑でしか見たことがないヤイトヤッコやトサヤッコ、そしてヒレナガヤッコまでが視界に飛び込んできた。しかもこれらの種は雌雄で体の柄や色彩が違う。どれとどれが同じ種なのか俄かに判断も付かなかった。
「どうしよう。どれから撮ろう!こんなに色々居るなんて。何という凄い海!」
この豪華過ぎる面々を前に、ワチャワチャとただ血迷いながら時間の許す限りシャッターを切った

 

そんな時、キツイ視線を感じた。しかもそれは、好意的ではない冷た〜い視線。
「良い加減にしてよね!」と言われているような、、スミマセン。

 

視線の主の写真を1枚撮らせて貰って早々にその場を去った。
その時の1枚が下の参考写真。

 

タテジマヤッコ属の仲間は概して性格がキツイと何処かのサイトで読んだ。笑

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2017.10.08 #651

撮影ポイント

屋久島 一湊 お宮前

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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