ウケグチイットウダイ
キンメダイ目イットウダイ科
2021.4.23:投稿
過去自分が撮ったことがある種かどうかは魚の色や模様(柄)で判断する。
海の中で、初見の魚がいないかと探しながら泳いでいるのが私の常だ。
このウケグチイットウダイは、体型などからイットウダイ科の魚だと直ぐに判断が付く。また体側にある幾本もの縦線と各鰭の色合いが非常に印象的。
初めて見たのはパラオの海だった。余り深くないサンゴ礁域の外縁、岩棚の陰などに数匹でいたと記憶している。動きは速くはなく撮りやすかった。写真はその時(2015年)のもの。
本種はその名前の通り下顎が上顎よりも長く、前に出ていて受け口になっている。尾鰭は深く切れ込んでいる。体色は銀白色で、側線上に赤褐色の縦線があり、体側には暗褐色の小さな点を繋げたような縦線が何本もある。尾鰭や背鰭・臀鰭の縁にも赤褐色の部分があり鰭の軟条は黄色い。鰓蓋の部分も赤味を帯びている。頭?顔?に対して眼は非常に大きい。
同属・近似種のホソエビスに非常に似ているが、ウケグチイットウダイには背鰭の前方の鰭膜に黒色の斑紋があるので識別可能。尚、本種は比較的個体数が多いがホソエビスは少ない。
データ詳細
撮影日
2015.03.19 #473
撮影ポイント
Palau Siaes Tunnel
使用機材
Olympus XZ-2
海に潜る前は必ず、インストラクターからブリーフィングがある。ポイントの説明や注意点、見られそうな生物の紹介などの内容だ。
ブリーフィングを聞く時も、話の中に今まで自分が撮ったことが無い魚の名前や、リベンジしたい魚の名前がないか真剣に聞く。特別撮りたい魚の名前が出た時は、潜る前に船の上で合図をして貰うように頼んでおく。
この写真は2019年の小笠原の海での1枚。
この時も潜る前にブリーフィングがあり、その中で「ウケグチイットウダイ」の名前が出た。今までに撮っていない魚だと思って、小笠原の現地インストラクターの鉄也さんに「ウケグチがいたら教えて下さい」と頼んでおいた。
海に入って直ぐ5分程で、鉄也さんが指差す先にウケグチイットウダイが数匹いた。見た途端に「あ〜この子か〜パラオで撮ってるワ」と思ったが、勿論真剣に撮った。既に撮ったことのある魚でも、良い写真に更新したいので何度でも会えることは嬉しい。しかし、名前を忘れて勘違いしていた自分がショックだった。。。魚だけでも約950種を撮って来ているのだから、こんなことも起こり得ると、自分を慰める。笑
海もダイビングも私にとっては”楽しいこと” これが絶対条件。ネガティブな感情はご法度!
ウケグチイットウダイの分布域は紀伊半島以南の太平洋岸、小笠原諸島、琉球列島。
データ詳細
撮影日
2019.05.02 #787
撮影ポイント
小笠原 父島 イエローから赤ブイ
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)