トビイトギンポ
スズキ目ゲンゲ科
2021.11.1:投稿
【分布域】城ケ島、静岡県、伊豆半島南東岸、大浦湾。
【生息域】沿岸のごく浅い岩礁や潮溜まり、藻場に生息。生息水深は2~6m。
【特徴】本種が属すゲンゲ科の魚は一般に細長く柔軟でウナギのような体型をしている。背鰭、尾鰭、臀鰭は連続する。本種の全長は12㎝程度。
この写真の種の名前が「トビイトギンポ」と判明するのに8ヶ月弱を要した。
早春の城ケ島ビーチで撮った”たった1枚”だけの写真に写るこの魚。
何故か、どうしても、この魚の身元・本当の名前を見付けてやらねばという訳の分からぬ使命感に突き動かされた。
この写真を撮った3月は、来る日も来る日も「誰かこの魚の”身元、親元”を知りませんか?」と図鑑の各ページに尋ねて回った。しかし「その子はうちの遠縁にあたる子ですよ」などの話は皆無。何処からも有力な情報は寄せられなかった。「誰なんだ~?」
図鑑の中の1枚の写真がちょっと似ているからと「遂に身元判明か!」と心躍ったりもしたが、違う。
春が過ぎ、盛夏も過ぎた。秋も秋とて、もはや晩秋。聞こえる冬の足音は次第に大きくなってきた。
早く見付けてやらねば、、、。
自分の力で見付けたかったが、11月になる。最早ここまで、決着をつけねばと肚を括る!
学者や専門家の人達が質問に答えて下さるサイトへ投稿した。
どうだろう!投稿後10分も経たぬ内に学者の方から回答があった。魚類のデータベースを添付して。
データベースの画像と城ケ島の件の魚はドンピシャ!
データベースの写真の撮影者はあの「瀬能宏」さん。
「トビイトギンポ」
分厚い方の図鑑『日本の海水魚』にもその名はない。
「ゲンゲ科」初めて聞く科の名前。
ハンディ図鑑『日本の海水魚』にはその「科」の名前すらない。
名前に”ギンポ”が付くが、いわゆるギンポの仲間ではない。
かなりの遠回りをしたが、正確な名前が分かって安堵した。
これで晴れて写真の魚と正面から目を合わすことが出来る。笑
身元・名前判明 おめでとう!
そして、自分に。my新種ゲット!おめでとう。
データ詳細
撮影日
2021.03.09 #963
撮影ポイント
城ケ島 梶が浜ビーチ
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)