タスジウミシダウバウオ

スズキ目ウバウオ科

2021.12.6:投稿



【分布域】高知県、伊豆大島~宮城県の太平洋岸、沖縄島。
【生息域】水深10m~20m付近の岩礁やサンゴ礁域に生息。ウミシダ類に体色を合わせて隠れている。
【特徴】体色は赤褐色。淡黄色の縦線が背中線に1本、体側に2本、腹側に2本ある。体側の2本は吻から眼の上下縁を通り尾鰭に達する。これら縦線の間には淡黄色の小斑点が多数ある。雌雄の差は不明。



「厄介な奴」

日本近海でみられるウバウオ科の魚は11種と言われている。
今までに、その中で9種を撮ってきた。ヒメウバウオとメシマウバウオ属の1種が未遭遇。

9種の中でメシマウバウオを残して本種タスジウバウオが8番目の投稿となる。

それは他人には言えない訳がある(ここには書くのだが。。。)

タスジウミシダウバウオは中々厄介な奴なのだ!苦労させられている。
共生するウミシダ類に体色を合わせて巧みに隠れている。しかもウミシダ類の腕に彼らの急所の”眼”を微妙に隠してしまう。

「目ピン」という言葉もあるくらいで眼が写っていなければ「撮った」とは言えない。


冒頭の写真と下の参考写真は同じ時の同じ個体。
どちらも夫々違った意味合いで褒められた写真ではない。

上の写真は偶々?珍しく?ウミシダから出て全身を露わにしている。
もしかしたら図鑑写真としては若干の価値はあるかも知れない。ただ、これでは本種の生息状況が現わせていない。

一方、下の参考写真はウミシダ類に隠れて眼が見えていない。ダメ写真の典型的な一例。
しかし、こんな感じで隠れ棲んでいるということは伝わるのかも知れない。


データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2021.11.28 #1073

撮影ポイント

柏島 シシナカセ

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

本種の名前を「タスジウバウオ」だと勘違いしていた。
正解は「タスジウミシダウバウオ」。”ウミシダ”が抜けていた。

 

言い訳めくが、私が目にした中ではこの写真の個体のようにガンガゼに隠れている場合の方がウミシダ類に隠れている場合より遥かに多い。

 

ガンガゼ類を“盾”にして敵に近づかれないようにして生息している。
こうした魚は多いが、カメラを持つ身からするとガンガゼ類は本当に邪魔者でしかない。ガンガゼ類が刺さると痛いし、カメラのピントはガンガゼ類に持って行かれ易い。(カメラは「線」にピントを合わせようとする)

 

難敵「ガンガゼ類」の奥に潜む「厄介な奴」を、ガンガゼ類の隙間から眼を捉えようと努力した1枚が上の写真。

 

参考写真:同じ時の写真。
顔を隠してシャイな感じのタスジウミシダウバウオ。
何やら他の個体に比べてお腹が膨らんでいるような。気のせい?

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2020.07.03 #881

撮影ポイント

柏島 後浜no.3

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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