タコベラ

スズキ目ベラ科ホホスジモチノウオ属

2021.10.15:投稿



【分布域】伊豆諸島、小笠原諸島、千葉県館山湾~高知県柏島の太平洋岸、愛媛県愛南、屋久島、琉球列島。
【生息域】浅い水深の岩礁やサンゴ礁、藻場やガレ場など広範囲で見られる。
【特徴】色彩のバリエーションに富んでいる。雌雄の判別は難しい。普通種。
雄相の尾鰭の中央と上部先端が長く伸びる。体側中央にごく小さな黒色斑が1つある。背鰭前端には青色の斑点が1つ。
雌相は体側中央部が黒ずみ縦帯じょうになることが多い。周囲の環境によって瞬時に体色を変化させる。雌相の背鰭前先端にも青色の斑点が1つある。
幼魚は海藻などに紛れていることが多く、見つけ難く目にするのは稀である。体側中央に暗色斑(中には青色の斑点)が並ぶ。




タコベラ雄相の尾鰭!

長年このベラのどこが「タコ」(蛸)に似ているのだろうと疑問に感じて来た。
そう思いながらも、良く目にするタコベラをその名前から「まぁタコベラでしょう~」とどこかで侮っていた。


つい数日前、八幡野ビーチで潜った。
エントリー後5~6分、水深も7~8m位だっただろうか。この日のガイド・マサさんのスレートには「タコベラ 尾ビレがきれい!」と書かれていた。

”普通種”ゆえかタコベラの写真は今までにも相当撮っては来た。しかし尾鰭に注目したことは1度たりともなかった。
紹介されて撮ったのが冒頭の写真と参考写真。

2枚の写真は同じ個体。
図鑑には「雌相は瞬時に体色を変化させる」と書かれているが、雄相も体色を変化させるようだ。参考写真は体色がやや白っぽく変化している。(目ピンが怪しいが)タコベラの美しさが良く分かる。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2021.10.12 #1059

撮影ポイント

八幡野ビーチ

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

「タコベラ」名前の由来

 

冒頭の写真を撮った20~30分後、またタコベラ・雄相がいた。個体数もそこそこいて、ちょくちょく出会うのが普通種タコベラ。
今度は尾鰭が全開するタイミングを狙ってシャッターを切った。(結果85%位の開き具合)

 

カメラの液晶画面にはフラッシュに照らされ真っ赤な体色のタコベラが写っていた。

 

これから始まる秋の紅葉。
深紅に染まるモミジやナナカマドの葉の色に似て美しい。

 

尾鰭の上端と中央部が伸長していて”ひし形”をしている。
まるで空を滑空する凧のような形だ!

 

タコ、タコ。
もしかすると、タコベラは”蛸ベラ”ではなく”凧ベラ”ではないのか?!

 

調べてみると立てた仮説は大当たりだった。
8本足の蛸(Octopus)ではない、空を舞う凧(Kite)だったのだ。

 

人も魚も名前で値打ちが変わるものではない。
しかし名前の由来が”蛸”ではなく”凧”だったと知ると、今後タコベラを見る目が変わりそうな気がしないでもない 笑

 

マサさんがスレートに書いた一言から、タコベラのどこに焦点を当てて撮るかの「意識」が変わり、名前の由来まで判明した。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2021.10.12 #1059

撮影ポイント

八幡野ビーチ

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

タコベラ 雄相

 

”蛸ベラ”だと思っていた頃、尾鰭がチャームポイントだと知らなかった頃のタコベラ。
この写真のタコベラ私が持つ本種のイメージに一番近い。

 

参考写真:同じ個体の15秒後の体色変化。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2014.11.02 #457

撮影ポイント

屋久島 一湊 タンク下

使用機材

Olympus XZ-2

参考写真を含めて、恐らくタコベラの雌相と思われる個体たち。

 

参考写真:2017.11.13 @田子 ヤイズ根

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2020.07.02 #877

撮影ポイント

柏島 後浜no.1

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

節子

2021.10.21

14:54

マサさん!

あの一言がなかったら、ずーと”蛸ベラ”だと思ったまま、尾鰭が綺麗とも知らず。。。
尾鰭100%狙います!

まさ

2021.10.21

11:29

あらら、言ってみるものですね!
こんなに広がって!笑

尾鰭100%も見たいです!

コメント

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