シュンカンハゼ
スズキ目ハゼ科オキナワハゼ属
2021.4.26:投稿
極めて地味なハゼ。
本種が属すオキナワハゼ属のハゼ達は皆揃って色彩感に乏しい。
そのせいかウェブ上にある数多(あまた)のサイトでのシュンカンハゼの主な話題はその「名前の由来」。
”瞬間”に隠れるからシュンカンハゼなのか。はたまた、平家物語の”俊寛”に因んでシュンカンハゼなのか。
確かに”瞬間”説に1票を投じたくなる程、一瞬で隠れてしまう。
しかし正解は平家物語の”俊寛”からのようだ。
*俊寛増都(ぞうず)は平清盛の全盛期に、政権転覆の企て「鹿ケ谷(京都府)の謀議」が明るみに出て、喜界島(鹿児島県)へ流刑になる。その後、清盛の娘徳子(安徳天皇の母)の安産祈願の大赦で共に流されていた2人は島を離れるが、俊寛1人が赦されず島に取り残される。そんな俊寛の孤独や悲劇を描いた能や歌舞伎の演目もある。
世の中には先達がいる。
あるサイトの筆者の方は、仮説を立て、アンダーウォーターナチュラリスト協会に「シュンカンハゼ命名の由来について」問い合わせもされている。本種の学名:Callogobius shunkan Takagi,1957 の高木先生から協会の方を通じて回答も得ている。
「(シュンカンハゼの)頭部の皺が印象に残って、それが俊寛をイメージしたので命名した」と。
シュンカンハゼの採取地の検証などもされていて、非常に興味深いサイトなので参考までに。
データ詳細
撮影日
2017.07.06 #632
撮影ポイント
田子 弁天島
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
シュンカンハゼは岩礁域やサンゴ礁域の礁原の転石の間や岩と砂底の境目などに生息する。生息水深は3〜15m。
南日本の太平洋岸、伊豆諸島、琉球列島などを分布域に持つ。
命名の由来となったという頭部の皺は、私の写真でははっきりとは確認できない。
体は太く体長は7〜10cm位だろうか。特徴は背鰭基底に黒色の斑紋が3つあること。
警戒心も強く、誰もが「瞬間」で隠れるからと想像するが、図鑑「日本の海水魚」には「動きは緩慢」と書かれている。笑
参考写真:2018.1 @田子白崎 黒っぽい個体だが背鰭基底に3つの黒色の斑紋。
そんなに背鰭をぴーんと立てると隠れる時、岩にぶつかるよ!
データ詳細
撮影日
2019.06.20 #802
撮影ポイント
柏島 後浜no.3.5
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)