ルソンヒトデ
ルソンヒトデ科
2021.11.26:投稿
【分布域】富山湾、四国以南、小笠原諸島。:インドー西太平洋。
【生息域】浅海。
【特徴】体色は変異が多い。橙色、赤褐色、褐色、暗褐色等。腕は4~7本。長さは不揃いなこともある。
「ルソンヒトデ」
リゾートの海・瀬底島で朱色が美しいヒトデだと思い撮った。
何も知らずに。何も考えずに。
名前は「ルソンヒトデ」だと、後日の調べで分かった。
この稿を書くため情報収集する過程で私は少なからずショックを受けた。
本種ルソンヒトデは「自切り」をするそうだ。
台風などで海が荒れた時の波や潮流を利用して、自らの腕を切り落とす。そして、そこから「新たな個体」として増えていく。
このように受精をせずに子孫を増やしていくものを「無性生殖」というそうだ。
植物などでも、茎を切って水に差しているとそこから根が生えて増えていく種もある。
私自身若い頃、セントポーリアという植物をこのやり方で幾鉢も増やして楽しんでいた。
しかし、これら植物とルソンヒトデとの明確な違いは「自ら切る」こと。
命あるものが種を繋いで行く時、”自己犠牲”を伴うのは自然の摂理かもしれない。
「トカゲのしっぽ切り」も自らを切ることとして有名。だが「切る」という行為の目的が全く違う。こちらは本体の(自身の)命を守るために切る。
何れにしても自然界では、こうした「厳しい営み」がそれぞれの生物で、それぞれの目的の為に行われているということだろう。
余談:
ルソン島はフィリピン諸島の中で最も面積の大きな島。首都のマニラをはじめ政治・経済の中心がこの島にある。
呂宋助左衛門(るそんすけざえもん):安土桃山時代の貿易商。フィリピンへ渡り様々な品物を日本へ持ち帰り、それらの商いを通じて、巨万の富を築いた豪商である。この人物を主人公にした城山三郎の「黄金の日々」という書籍がある。
データ詳細
撮影日
2015.10.19 #522
撮影ポイント
瀬底島 ラビリンス・キャメル
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)