オラウータンクラブ

クモガニ科クモガニ属

2021.8.30:投稿



【分布域】南日本、伊豆・小笠原諸島、琉球列島:フィリピン、インドネシアなど西部太平洋の熱帯・亜熱帯域。
【生息環境】サンゴ礁、岩礁礁原、礁斜面の水深15〜30m。ミズタマサンゴやナガレハナサンゴ、イソバナ類など固着性の刺胞動物の上で多く見られる。
【特徴】体は濃茶色の柔らかな長毛で覆われ、著しく長い歩脚を持っている。はさみ脚は歩脚と比べて著しく短い。
第2〜4歩脚で宿主につかまり、はさみ脚と第1歩脚を手前にだらりとぶら下げている。



「オラウータンクラブ」という呼び方は、あくまでも通称。正式な和名はない。
図鑑などでは「クモガニ属の1種」(学名:Oncinopus sp.)と表記されている。



はさみ脚と第1歩脚を手前にだらりと下げている様が、オラウータンを連想させての通称名。また、体を覆う茶色の毛を持つこともオラウータンに似ているが、これは自前の毛ではない。藍藻類のユレモ目の仲間を付けているとみられている。環境や個体により毛の密度や色は異なる。


写真の個体はナガレハナサンゴの上にいる。あまり毛は密集しておらず小さなオラウータンだった。
参考写真も同じ時の個体だが、カメラ目線が可愛いので重複するが採用した。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2014.11.02 #456

撮影ポイント

屋久島 一湊 タンク下

使用機材

Olympus XZ-2

毛むくじゃらで”オラウータン”らしい個体。

 

ダイバーが「オラウータンクラブ」と呼んでいるものの一部(八丈島で採取された標本)は、インド・西太平洋に広く分布する「ミナミクモガニ」(学名:Onicinopus neptunus)と同定された。(2016年に学術雑誌で発表)  また、「オラウータンクラブ」として採取された標本の中には「トゲアケウス」が海藻やカイメンなどを付着させたものも混じっていたとのこと。

 

通称:オラウータンクラブは案外ざっくりした呼び名なのかもしれない。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2019.06.21 #803

撮影ポイント

柏島 勤崎

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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