モンガラドオシ

ウナギ目ウミヘビ科

2020.12.28:投稿

『独白』

言っておくが、俺はただグータラ寝てた訳じゃねえ。夜の仕事に備えて、陽がある内は休息していたんだ。

いやね!おとといは台風でこの黄金崎の海ん中も大荒れだったんだ。そりゃあ酷かった。仕事にも行けない始末さ!俺の仕事ってえのは餌を捕りに行くこと。生業って言った方が良い。俺は独り身、己れ独りの命をつなぐ最低限の餌を捕るんだ。贅沢しようなんて魂胆はこれっぽっちもねえが、食わなきゃ腹が減る。あったりまえだろ〜!

夜はこの広い砂礫の底を捕食のために結構あちこち動き回るのさ。だからいつも通り、夜に備えて砂地から頭だけ出して寝てたって寸法よ。

ところがだ!

そこへ無粋なニンゲン共が3人でやってきた。そん中の1人のオトコが俺の尻尾の辺りをカネの棒で突っつきやがるんだ。俺は堪らず砂から飛び出して逃げたんだ。ひでえ話さぁ。

すると今度は歳のいったオンナが俺に向けて何回もピカッと光らせやがる。寝起きの俺の目には眩し過ぎて迷惑至極。あいつは無駄に年を重ねたのかい?ちっとは他人様への迷惑ってもんを考えろ。分別ってもんが無いのかい?はぁ?

が、俺は怒ることもなく、反撃することもなく、尻尾から体をくねらせて砂ん中へもう一遍潜り込んだ。俺は平和主義なんだ。あいつらと揉めたくはねえ。

何を考えているのか、ニンゲン共は何の挨拶もなく何処かへ行ちまったさ。

俺は寛大だからお前らの無礼を許してやるが、違うところで又迷惑を撒き散らすんじゃねえぞ!


鬱陶しい奴等だったが、俺はもう一回夜に備えて寝るとする。さっきの夢の続きを見るとしよう。ちょうど良いところだったんだよ。



データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2017.10.25 #656

撮影ポイント

黄金崎ビーチ

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

モンガラドオシの日本での分布は千葉県以南の海域。沿岸の砂礫底に生息する。 体長は約60cm、体の地色は白色及び黄褐色で暗褐色の丸い斑紋が並ぶ。頭の近くは小さな丸になる。背鰭にも同色の斑紋が並ぶ。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2017.10.25 #656

撮影ポイント

黄金崎ビーチ

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

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