ミナミイソスズメダイ
スズキ目スズメダイ科ソラスズメダイ属
2022.6.21:投稿
【分布域】琉球列島。
【生息域】水深5m以浅に生息。内湾の浅いサンゴ礁で単独で見られる。
【特徴】成魚の体色は一様に黒ぽい灰色~暗い緑色。若魚や幼魚には背鰭後方に眼状斑が1つあり、尾鰭は透明。眼の後方鰓上部に小さな黒点が1つある。
「人違い、魚違い」
私は「オジロスズメダイ」を探していた。
潜っているのは奄美大島の手広海岸。生息水深や環境もピッタリ。
「今、サンゴの裏側へ隠れたスズメダイ。体色は黒ぽく、背鰭には確かに眼状斑があった」と、思った。
やっと見付けた!と追跡してシャッターを切った。
奄美大島滞在中は、特徴などから「オジロスズメダイ」を撮ったと確信していた。
ところが。
自宅へ帰って、図鑑を読ん写真を見比べ精査すると。。。
奴じゃない!(シュン)
尾鰭の付け根が白く、黒い体色から白色への境界線がハッキリしているのがオジロスズメダイの特徴らしい。
自分が撮ってきた写真を見ながら「じゃあ、アナタは誰?」。
図鑑『スズメダイ』のソラスズメダイ属をチェック。
ソラスズメダイ属は眼状斑が背鰭後方にあるからだ。
奄美大島で撮ってきた写真とピッタリな種を発見した。
「ミナミイソスズメダイ」
何と地味なスズメダイ!
初めて知った名前。
眼の後方、鰓の上部に小さな黒点があるところもピタリ。
図鑑に書かれた特徴と何も矛盾しない。
本種は日本固有種とされている。
しかし、同じソラスズメダイ属の西部太平洋に分布する「Obscure Damsel」(オブスカー・ダムゼル)と酷似していて外見から両種の違いを判別することは出来ないそうだ。
「専門家による分類学的な再検証が必要である」と書かれている。
私が撮った写真は図鑑の「オブスカー・ダムゼル」の若魚の写真に一番近い。
参考写真:同じ時の同じ個体。
データ詳細
撮影日
2021.05.02 #977
撮影ポイント
奄美大島 手広海岸
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)