アザハタ
スズキ目ハタ科ハタ亜科
2022.10.27:投稿
【分布域】伊豆諸島、小笠原諸島、駿河湾~屋久島の太平洋沿岸、琉球列島。
【生息域】砂地にあるハナダイやテンジクダイ科の魚が集まり、クリーナーフィッシュがいるサンゴの根に単独或いはペアーや複数で生活している。
【特徴】体色は真赤色な個体や、肌色のような色合いの薄い個体もいる。体色を変化させたりもする。体高が高く扁平な体で、赤茶色斑が密にあり、それらが網目模様になることが1つの特徴。
幼魚の体色は濃紺であり、尾鰭後端は白色で縁取られる。
「屋久島のアザハタ」
アザハタと言えば、屋久島の一湊・ゼロ戦に棲む彼らを真っ先に思い浮かべる。
雄1匹と雌3匹(王様1、女王様3)。
ゼロ戦へ潜れば必ず本種アザハタを撮る。
ゼロ戦を守り支配するアザハタへの当然の儀礼である。
と、言いながら正直私にはどの個体が王様でどの個体が女王様か判別出来ていない。
もう1度ゼロ戦へ潜れることがあれば、屋久島の至さんに教えて貰って写真を撮りたいと思っている。
参考写真:2014.11 @屋久島 一湊 ゼロ戦
正面からのアングル。
体高は高いが、体が扁平していることが良く分かる。
データ詳細
撮影日
2014.11.01 #451
撮影ポイント
屋久島 一湊 ゼロ戦
使用機材
Olympus XZ-1
「クリーニングを受けるアザハタ」
冒頭の【生息域】で「砂地にあるハナダイやテンジクダイ科の魚が集まり、クリーナーフィッシュがいるサンゴの根に単独或いはペアーや複数で生活している」と記した。
1枚目の写真は正にテンジクダイ科の魚達の群れをバックにゼロ戦の残骸の上で佇むアザハタである。
一方、この写真はクリーナーフィッシュ(ホンソメワケベラ幼魚)に口の中を清掃して貰っているところ。ゼロ戦にはアカシマシラヒゲエビやホワイトソックスエビなどの甲殻類が多数生息する。クリーニングを受ける環境も整っている。
データ詳細
撮影日
2022.10.02 #1192
撮影ポイント
屋久島 一湊 ゼロ戦
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
「ゼロ戦を守る アザハタ」
この写真を撮ったのは2014年。2010年に次いで2度目の屋久島。
ゼロ戦の上を乱舞するケラマハナダイやフタイロハナゴイ、カシワハナダイ。テンジクダイ科の魚に甲殻類。
ゼロ戦の機体の上や奥深くにばかりに注目してシャッターを切っていた。
ふっと我に返りゼロ戦の周囲に目をやると、アザハタが機体の周りの砂地に寝そべり、体を擦り付けているように見えた。
体が痒くて砂に擦り付けているのかな?体に付いた寄生虫の掃除かな?とも思った。
何をしているのかの真相は分からないまま、なんとなくその姿を撮った。
翌年の2015年に発刊された至さんの写真集『屋久島 豊穣の海』を読んで合点した。
台風や寒波の影響でゼロ戦の機体が砂で埋もれてしまわないように、体や尾鰭を使って掘り起こしているのだそうだ。
ゼロ戦の機体が砂に埋もれることを防ぐことは、そこに生きているハナダイやテンジクダイ、甲殻類をはじめとする生き物たちの命を守っていることになる。
アザハタ!あなたたちは凄い!
”真のリーダー”と言える。
だから、ゼロ戦へ潜る時は必ずアザハタを表敬訪問し、写真を撮らせて貰っている。
参考写真:同じ時の写真。
データ詳細
撮影日
2014.11.01 #451
撮影ポイント
屋久島 一湊 ゼロ戦
使用機材
Olympus XZ-1
「アザハタ 幼魚」
アザハタの成魚は屋久島のゼロ戦でしか撮ったことがない。
いや、もしかすると他の海の他のポイントでも会っていたり撮っているのかも知れない。しかし、その記憶は全くない。
余りにもゼロ戦のアザハタの印象が強いからかも知れない。
一方、アザハタの幼魚は伊豆でしか撮ったことがない。
全て田子、井田、大瀬崎などの砂地である。
成魚とは正反対?の印象。シックな濃紺に赤褐色の小さな斑紋が体全体に散りばめられている。尾鰭後端は白色のライン。
どの個体も警戒心が強く、姿を物陰に隠してしまう撮り難いターゲットである。
参考写真:2019.9 @大瀬崎 湾内
データ詳細
撮影日
2020.08.13 #895
撮影ポイント
田子 白崎
使用機材
Olympus XZ-1