アラメサンゴガニ
サンゴガニ科サンゴガニ属
2021.8.21:投稿
【分布域】奄美大島以南、小笠原諸島。
【生息環境】サンゴ礁の礁原や礁斜面に生息する。生息水深は1〜20m。ミドリイシ類やハナヤサイサンゴ類の枝の合間で見られる。
【特徴】体地色は赤褐色。甲やはさみ脚には白色の斑点が散在する。歩脚には白色の横縞がある。
データ詳細
撮影日
2019.05.03 #790
撮影ポイント
小笠原諸島 西島 西島東磯
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
「八つ当たり」
2016年のGW、5年ぶり2度目の小笠原へ行った。
小笠原の海への期待は高かった。色々撮りたいものは山ほどあったが、中でも撮りたかったのが「パンダダルマハゼ」だった。
引率のミカちゃんには事前に伝えて協力をお願いした。
長い船旅を経て、小笠原到着後1本目に潜ったのは兄島のバラ沈というポイント。
現地で我々をガイドしてくれた勝巳さんが、先ず紹介してくれたのは「ベニゴンベ」
まずまずの写真が撮れた。私は小笠原の海で幸先の良いスタートを切った。
次に「セダカギンポ」を紹介された。初めての種だった。枝サンゴの奥にいるセダカギンポにピントを合わせていると、誰かが私の肩を叩いた。ミカちゃんだ。スレートには「パンダ」と書かれていた。セダカギンポは即決で捨てた。
ミカちゃんについて行くと、ハナヤサイサンゴの枝の間を指さした。
なんだかイマイチ分からなかったが枝の合間で動く赤い奴がいた。見つけたぞ〜とシャッターを切った。ピンも来たっ、よっしゃぁ〜!! ヤッタゼ〜!!
ミカちゃんの所へ行って「旅の目的を早々とゲットできた」ことへの感謝と喜びをハイッタッチで表現した。ミカちゃんもニコニコ顔。
エントリーしてまだ15分か20分しか経ってなかった。
しかしこの後、私は奈落の底へ自ら落ちた。
ショックのあまり、このあたりの記憶は飛んでいる。
どのタイミングで気付いたのかも定かではないが、私が撮ったのは「パンダダルマハゼ」ではなく本種アラメサンゴガニの脚だったのだ。
自らリクエストしたパンダダルマハゼ。どんな形で何色かは充分判っていたはず。そもそもパンダダルマハゼに赤色はない!!
何故そんな間違いを犯したのかは今もって永遠の謎。(窒素酔いする深さでも経過時間でもない)
理由も見つからないような自分の愚かさへの悔しさと怒りは、自分の中で渦巻いて行き場を失っていた。
仕方がないので、海の中の「赤い色」のカニを恨んで呪ってみた。
翌日海の中で写真のアラメサンゴガニに出会った。
「も〜本当にカニなんか大嫌いだからねっ!」と文句を付けながら、私の中での”極悪犯”をフレームに入れてシャッターを切った。
これはいわゆる私の”八つ当たり”でしかない。
しかし何の関係も、増してや責任もない「アラメサンゴガニ」、良い感じで写ってくれている。
私からの理不尽な”八つ当たり”を、サラッと受け流してくれたのだろうか? 大人だね。。。
アラメサンゴガニに毒づいた後、私は気分を切り替えることに成功した。
(Gomenn! Arigatou! アラメサンゴガニ)
データ詳細
撮影日
2016.05.05 #542
撮影ポイント
小笠原諸島 嫁島 マグロ穴
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)