アマミホシゾラフグ
フグ目フグ科
2023.5.17:投稿
【分布域】奄美大島。
【生息域】水深10m~30mの泥底に生息。
【特徴】体色は頭部と背面が薄茶色で、腹部は白色。背面には不規則で複雑な模様(奄美の星空のような模様がある)腹部には白色と銀白色の水玉模様がある。体長は約15cm。
雄は胸鰭や尾鰭を使って、直径2m程の幾何学的な円形の産卵床を海底に作り、中心部の着卵床に雌を招いて卵を産ませ繫殖行動をする。
【ミステリーサークル】1995年頃から海底に存在する直径2m程の円形の幾何学的な模様の存在が知られていた。誰が何のために作っているのか長い間謎であったため”ミステリーサークル”と呼ばれていた。このサークルが本種アマミホシゾラフグの雄が作った産卵床と判明したのは2012年のこと。
「アマミホシゾラフグ」
2023年の奄美大島ツアー。
1番の目的はアマミホシゾラフグに会うこと。
前回の2021年の奄美大島ツアーではアマミホシゾラフグが作る産卵床を見ることは出来たが、フグは留守・不在だった。
我々チームとすれ違うように数分後に入った別チームは、産卵床にフグがいるのを目撃し写真も撮っていた。
”そうかっ!フグだって忙しい!近くのコンビニにでも行ってたのか、、、しょうがないね”と、ムリヤリ自分を「納得」させた。
それから2年の歳月が流れ、再びの奄美。
目的は明確。
リベンジのために訪れた。
奄美大島へ何度も来島しながら、図鑑にアマミホシゾラフグを載せない訳にはいかない。
「納得」なんか出来てはいない。
諦めることは下手なタイプ。
人気のGW奄美大島ツアー。
今回も2チーム編成。
ツアー2日目の朝いち、船でポイント「バベル」へ。
将史君チーム(私も)が先発でエントリー。
水深約10mをキープして産卵床のある場所へしばらく泳いだ。
やがて眼下にサークルが見えてきた。
が。
しかし。
そこにフグはいない。。。
泥底には住人のいない産卵床が寂しく佇んでいた。
船に上がって”出会いの難しさ”を噛み締めていると。
後発の鈴夏ちゃんチームも船に戻って来た。
背負っていたタンクを下ろしながら「アマミホシゾラフグいたねー」と皆テンション高く、満面の笑み。(先発チームが見れなかったことを後発チームは知らなかった。。。)
2021年と全く同じパターン!
嫌な感じが脳内を支配する。
将史君、鈴夏ちゃんと現地ショップの垣内さん岩田さんが相談して、強力な策を講じてくれた。
翌朝、再度、エンリッチタンクを使用してチャレンジすることに。
(*エンリッチタンクは酸素濃度が通常のタンクより高く、窒素の体内残留が少ない。水深30mの深場での滞在可能時間が増える)
ツアー3日目の朝。
今回も我々が先発(じゃんけんで決定)
気合いの表れだろうか。
潜降後、皆一丸となって約束通りの深度をキープしてポイントまで移動。
水深を浅く取って待機。
その間に垣内さんが1人深場へ降りて、複数あるサークル(産卵床)をチェック。
一つ目のサークルにフグの姿はない。
別のサークルへと垣内さんが動く。
そして。
垣内さんのライトがグルグル回って「降りてこい」の合図!
参考写真:2023.5.4 @奄美大島 バベル
アマミホシゾラフグが不在の産卵床。
ミステリーサークル!
データ詳細
撮影日
2023.05.05 #1266
撮影ポイント
奄美大島 バベル
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
「One Team」
スタッフの方達の適確な策が当たり、更に運にも恵まれたのだろう。
我々先発チームも無事アマミホシゾラフグを見ることに成功した。
嬉しかった!
中層で待機していた後発チームは、海底でカメラのフラッシュが焚かれているところを上から確認して喜んでくれたそうだ。
前日既にアマミホシゾラフグを見ていた後発チームのメンバー。それでも再度チャレンジすることに異論を挟む人は誰もいなかった。改めて、素敵な人達!
私にとっては3度目のアタック?!
やっとアマミホシゾラフグに会えた。
嬉しかった。
しかし、それよりもっと嬉しかった事がある。
スタッフを含めて奄美ツアーに参加した14人と現地ガイドの垣内さん、岩田さんの16人。
しっかり「ワンチーム」になれたこと。
本当に良いチームだった。
奄美大島ツアーにはいつも”ものがたり”がある(2021年版はセノウヒカリイシモチ)
しかもそれはハピーエンドの物語。
ツアー中に流行った?曲
「負けない事、投げ出さない事、逃げ出さない事、信じ抜く事
駄目になりそうな時 それが一番大事 ♪」
データ詳細
撮影日
2023.05.05 #1266
撮影ポイント
奄美大島 バベル
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)