アカハチハゼ
スズキ目ハゼ科クロイトハゼ属
2021.4.24:投稿
ダイビングを始めて何年も経たない頃、サイパンの海で潜った。現地のガイドの方に紹介され、十数メートル先にいるアカハチハゼの姿を見た。美しいハゼだった。その時、こんな綺麗なハゼがいるのだと初めて知った。
サイパンでの印象が余りにも強く、日本の海・井田の海でアカハチハゼに会えるとは思ってもいなかった。
井田で本種に会った日は、いつものエントリー口からではなく、「奥」と言われる方から海に入って通常のエキジット口へ戻るコースを取った。
エキジット口の浅場にアカハチハゼはいた。
1本目も2本目もエキジット前に、アカハチハゼには”モデル”として延々と付き合って貰った。
2本目、撮り終わってあたりを見回すと仲間は誰も居なかった。私以外は既に全員海から上がっていた。
ハゼは付き合ってくれたが、人間達は付き合ってくれなかったらしい。笑
(真相は私がゆっくり写真が撮れるよう、堤防から見守りながら私に時間をくれていたのだと思う)
美しい鰭を全開にして、しかも延々と付き合ってくれた「井田のアカハチハゼ」
この後、他の海でもアカハチハゼに何度か出会ったが、一目見ては「井田の子の方が数段美人だった」とモチベーションがまるで湧いてこない。
私の偏った思い入れには困ったものだ。
参考写真:2019.6 @柏島 後浜No.1
つれなく扱った柏島のアカハチハゼ
データ詳細
撮影日
2016.11.15 #606
撮影ポイント
井田
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
アカハチハゼの特徴は第1背鰭の第2−4棘が糸状に伸長すること。頭部は黄色。眼の下、頬から鰓蓋にかけて水色の斜帯が1本ある。更に斜帯の下に数個の水色の線が見られる。頭の黄色は、地域や生息環境によって濃淡がある。橙色に近い濃い色やほぼ白っぽい色の個体もいる。体側には模様は無い。背鰭、臀鰭、尾鰭などは透明に近いが黄色味を帯びている。背鰭の基底には淡いブルーとピンクのラインがある。
内湾性の岩礁やサンゴ礁の砂底や死サンゴ片の混じるガレ場などで単独あるいはペアーで見られる。生息水深は3〜20m。
分布域は小笠原諸島、伊豆諸島、千葉県〜琉球列島。
タカノハダイの稿でも触れたが、井田の浅場は本種アカハチハゼが出現したり、思わぬ種の幼魚や季節来遊魚の”ゆりかご”の役割を担っていたりする。正にスーパーポイントだと思う。
データ詳細
撮影日
2016.11.15 #606
撮影ポイント
井田
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)