ウメイロ

スズキ目フエダイ科

2021.4.27:投稿


数日前、台風並みの強風がご〜ご〜と音を立てて、夜の東京を吹き抜けた。

風が大気の汚れを一掃したのか、翌朝の空は澄んでいた。お隣の庭にある梅の木から、まだ小さな小さな梅の実が路上に数個落ちていた。その青梅を拾ってみると、仄かに良い香りがした。


そうだ!「ウメイロ」をアップしよう。笑

「ウメイロ」きれいな名前。

体の背側の黄色(明黄褐色)い部分が梅の実の色に似ていることから、この名が付いたとか。

頭は丸みを帯びていて、体は楕円形で厚みがある。尾鰭はVの字のように中央が切れ込んでいる。後頭部あたりから尾鰭まで黄色。その他の部分はきれいな青色。胸鰭基底に黒色の斑紋がある。


ウメイロは潮通しの良い岩礁域やサンゴ礁域で群れている。本来は水深100〜200m位の深場に生息。
勿論この写真はそんな深場で撮った訳ではない。記録を調べると、せいぜい30m前後。
(ダイバーが行けるのは原則水深40mまで)


ウメイロには名前も姿もよく似た種が他にも存在する。「ウメイロモドキ」と「ユメウメイロ」
そっくりなのに、本種ウメイロだけがフエダイ科。ウメイロモドキとユメウメイロはタカサゴ科。

ダイバーにとって一番よく目にするのはウメイロモドキだと思う。ただ、遠くからは判別が難しいほど3種は良く似ている。ウメイロモドキは、黄色い部分の幅が本種ウメイロより遥かに狭い。しかも黄色の範囲は背鰭途中から尾鰭まで。腹部は白っぽい。海の中でウメイロモドキの大群に会うと何故か幸せな気分になるほど美しい。

ユメウメイロは黄色い範囲がウメイロモドキより更に狭い。そして何よりの特徴は眼の虹彩が赤い。


参考写真:同じ時の写真。はっきりとは覚えていないが、この時のウメイロは10数匹の群れだったと思う。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2015.10.20 #525

撮影ポイント

沖縄県 万座 ドリームホール

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

2017.7月下旬  この年の八丈島は冷水塊がナズマド*1)にも押し寄せていた。
水温15〜16°C。 気温は32°C。 この水温ではドライスーツを選択するしかない。炎天下ドライスーツを着たら一刻も早く海に入らないと暑くて堪らない。海に入ると低水温が心地いい。

 

この冷水塊の”贈り物”が写真のウメイロ!
冷水塊に乗って深場から上がってきていたようだ。

 

八丈に到着後の1本目。ウメイロの情報は得ていなかった。海の中でウメイロを発見して私は一人で興奮した。仲間はウメイロの場所をスルーしてどんどん泳いでいく。「ねぇ〜ウメイロいるよ〜ウメイロよ〜」と思いながら、そうそう粘れず皆んなの後を追った。

 

この時のウメイロ達、上の写真の個体より若いステージ。尾鰭の両端が黒っぽいのは幼魚の名残り。しかし幼魚ではない。色合いも何処か薄く燻んでいた。

 

*1)ナズマドは八丈島のスーパーなメイン・ポイント。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2017.07.28 #634

撮影ポイント

八丈島 ナズマド

使用機材

SONY Cyber-shot (DSC-WX1)

ウメイロ 幼魚

 

正直、この写真を使うかどうか迷った。ピンボケだから。涙

 

この写真を撮った時の背景。
年も押し迫った12月中旬、前日から泊まりで田子に来ていた。私はマサさんチーム。龍くんも別の講習中のゲストを数人連れていた。
2日目最初のDiveは沖の浮島根。ウミトサカの周りにキンギョハナダイが居て、その中にカシワハナダイが混じっていた。当然私はそのカシワハナダイ狙い。ところがその中に見たことのない子が1匹。変な子だなと違和感を持ち、一応撮っておいた。それがこの写真。(もっと真剣に撮るべきだった)

 

帰りの車中で龍くんが「さっきカシワハナダイ撮ってる時、変な子いましたよね」と。違うチームなのにしっかり見ていた。さすが!!

 

年が明けると、龍くんからメールが届いた。
「せっちゃん!お年玉です。浮島根の子、ウメイロの幼魚でした」と。
これが私とウメイロの初めての出会い。初めてが滅多に会えない”幼魚”だったわけだ。

 

幼魚の腹部は青色ではなく白色。尾鰭は黄色だが端は黒く縁取られている。

 

ウメイロの分布域は南日本の太平洋沿岸、伊豆諸島、小笠原諸島、屋久島、琉球列島。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2012.12.21 #325

撮影ポイント

田子 沖の浮島根

使用機材

Olympus XZ-1

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