スミツキカミナリベラ

スズキ目ベラ科カミナリベラ属

2024.9.27:投稿



【分布域】三宅島、八丈島、小笠原諸島、和歌山県白浜、琉球列島。
【生息域】荒磯の浅い岩礁に生息。
【特徴】雌雄の色彩は異なる。雄相は体側中央に墨が垂れるような斑紋が特徴的。雌相は眼の下にある黄色いラインが良く目立つ。





「スミツキカミナリベラ 雌相」

予てからベラ科のカミナリベラ属の魚を増やしたいと狙っていた。
カミナリベラ属には以下のようなメンバーがいる。
カミナリベラ
・スミツキカミナリベラ(本種)
アカオビベラ
・ハラスジベラ
・オニベラ

海中でカミナリベラ属と思われる魚を見かけたら、取り敢えず凝視することにしている。
カミナリベラ属の仲間は、一瞬でそれぞれを識別するのが私には難しい。
おまけに彼らは動きが滅法速いときている。

長年狙い続けてはいるが、滅多にザ・カミナリベラ以外には出会えなかった。



しかし、この時私がいたのは小笠原の海。
小笠原は他の海ではまず出会えないような種が、まるで”普通種”のような体(てい)で泳いでいる!
集中して、そうした種を見逃さないよう、探さなくてはと心に決めていた。



本種スミツキカミナリベラ!
”普通種”そのもののように、何個体もが他の魚達に紛れて、特別なオーラも出さずに泳いでいた。

まず、私の目に付いたのは雌相!
一目で「これは初見のカミナリベラ属の魚だ」と確信してテンションが上がった。

体のフォルム、泳ぎ方は正にカミナリベラ属。
眼の下の黄色いラインが特徴的!
見たことのない色彩だった!



これまで様々な海で潜って来たが、何処の海にもこの色彩の魚は居なかった。
だが、小笠原の海では違ったポイントでも何度か目にした。
どうやらここ小笠原では普通種であることが想像できた。



案の定、図鑑『ベラ&ブダイ』の本種スミツキカミナリベラの項には次のように紹介されている。
「日本固有種で小笠原では普通に見られるが、他の地域では極めて稀」


小笠原の海でしかなかなか見られない種に反応?して、my図鑑に加えることが出来たこと。
私の心の奥では、言い知れぬ深い喜びがじわじわと広がっていった。


参考写真:同じ時の別個体。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2024.09.17 #1449

撮影ポイント

小笠原諸島 父島 北一つ岩

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

「スミツキカミナリベラ 雄相」

 

本種の雌相を撮っていると、私の周囲にこれまた見かけない色彩の魚がいた。
「ん?今忙しい最中なんだけど~」そう思いながらも、そちらの魚も気にはなった。

 

”そちらの魚”も、どうやらカミナリベラ属!
ならば撮らねば!と。

 

やや、集中力が欠けていたらしく”バシッと”とはいかない写真になってしまった。

 

この日、宿へ帰って調べたら驚きの事実が、、(笑)
スミツキカミナリベラ雌相の周りでちょろちょろしていたのは、同じスミツキカミナリベラの雄相だったのだ!

 

小笠原の海以外では極めて稀だとされる本種!
雌雄を一気ににゲット出来たのは最高に幸せなこと。
片道24時間の船旅も何のその!(笑)

 

この日の夜の酒宴、いつもにも増して楽しい時間になった。

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2024.09.17 #1449

撮影ポイント

小笠原諸島 父島 北一つ岩

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

「ベラ&ブダイの鯉のぼり」

 

オマケ!
たまたまの1枚。

 

上から
イチモンジブダイの幼魚
・スミツキカミナリベラ雌相(本種)
ナンヨウブダイ幼魚

データ詳細

撮影日のアイコン

撮影日

2024.09.18 #1452

撮影ポイント

小笠原諸島 父島 北一つ岩

使用機材

Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)

コメント

※メールアドレスが公開されることはありません

CAPTCHA