イトベラ
スズキ目ベラ科イトベラ属
2022.3.9:投稿
【分布域】南日本、小笠原諸島、
【生息域】水深の浅い岩礁域の周辺にある砂底や砂礫底に生息。
【特徴】体色は雌雄共に腹部は白色、背面は褐色を帯びた暗色。雄相はこの暗色が明瞭になり、眼を通る1本の縦帯のように見えることがある。また、雄相の尾鰭には淡い黄色のV字形の模様が入る。雄相の背鰭先端にはごく小さな黒色の点がある。雌相は暗色の部分に白い横帯が入る。この横帯は目立つ時と目立たない時がある。雌相の尾鰭には特に目立った模様はない。幼魚も腹部は白色で眼を通る赤褐色の縦帯が尾鰭基底まで走る。この縦帯の最後尾に小さな黒色円斑がある。この縦帯は鰓より上にある。
「イトベラに物申す!」
ホントっ止めて欲しいのよね!
同じ個体でも色彩に変化が見られるとか、個体による色彩バリエーションが多いとか。
雄相のくせに雌相の特徴も合わせ持ってたり。
頭が混乱するし、もう~訳分かんなくなるから!
もっと雄なら雄、雌なら雌ってハッキリしてくれないと、素人は困る訳ヨ!
(以上、毒づいてみました 笑)
写真の個体は「雄相」
決め手は背鰭先端に小さな黒色があること、尾鰭にV字形の黄色い模様があること。
(ほとんど同じ特徴・色彩のイトベラの写真が図鑑『ベラ&ブダイ』に”雄相”として掲載されていること)
私を迷わせたのは、背面に雌相の特徴として挙げられている暗色域に白色の横帯がある点。
雄相の特徴として挙げられている眼を通り尾鰭基底まで走る縦帯がない点(「暗色の部分が1本の縦帯に見えることもある」と書かれていて必ずしも”ある”とは書かれていないマジック)
参考写真:2017.1 @大瀬崎 湾内
冒頭の写真の個体とそっくりなイトベラ。
撮影日時も場所も全く違うが似ている。
データ詳細
撮影日
2020.12.15 #946
撮影ポイント
伊豆海洋公園
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
「イトベラ 雌相」
こちらの個体は見間違えることなく、正真正銘?「雌相」である。
判別するのに苦労を掛けない”いい子”だ。
データ詳細
撮影日
2019.03.12 #769
撮影ポイント
田子 白崎
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)
「イトベラ 幼魚」
当初、この個体こそ雄相かと思った。
図鑑『ベラ&ブダイ』のイトベラのトップに掲載されている「雄相」の写真とそっくりである。
体側の色彩はほぼ同じである。
眼を通り尾鰭基底に至る赤褐色の縦帯を持つところにフォーカスすると「イトベラ 雄相」となる。
ところがこの写真の個体の尾鰭には模様がない。Vの字がないのである。
そして尾柄部にはっきりと黒色斑がある。これはこの個体が幼魚であることを物語っている。
イトベラ!面倒くさ~い!!
データ詳細
撮影日
2016.11.14 #604
撮影ポイント
田子 弁天島
使用機材
Olympus OM-D E-M5 MarkⅡ (M.60mm F2.8 Macro)